バリケード

国道6号線が富岡町から双葉町が通行可能になった。その事により国道沿いは左右に入る道や、家などに入る道も軒並みバリケードだらけになってました。3年半前に壊れて家は、そのままの状態です。
高速も富岡インターから乗れる様に便利にはなりました。まだ先の原町迄高速も工事が盛んに行われています。今回は、飯館村に用事が有りましたから、浪江町の方から大熊町に一時帰宅になりました。まず、大熊町に入る為にも3回ものバリケードを通り、その都度通行証と運転手の身分証明書の提示して車のナンバーを確認してから始めてバリケードを開けてくれます。無断立ち入りをして家を荒らされない様に厳しくしてくれているのですが、以前よりも面倒になりました。
一年振りの我が家は、雑草で覆われ入るのにも防護服を着ないと、泥棒草が身体中に着いてしまいます。家の中は地震の時に割れて窓の隙間から、動物が入り寝床にして居ました。居間のソファーは何の動物か分かりませんが、糞だらけでした。一年前に行った時にガムテープなど持って行かなかったので気になりながら、そのままにして来てしまったのです。頭が回らなかったのですね。今回は、テーブルの板とテレビ台をバリケードの様に押さえてきました。ドアなども締め切り他の部屋に侵入出来ないようにしましたが、虚しくなり主人と30分も滞在しないで出て来ました。道路を通しても大熊町の方達は、生きている間は残念ながら戻ることは不可能の様な気がします。
「諦め」は言葉としては簡単かも知れませんが、時には惨い選択をせざるをしないと行けなくなります。