ほしちゃんの「続・なるようにしか、ならん」。

安くてウマいもんと料理と旅行と音楽と競馬が好きなサラリーマンの暮らしを、ありのままに綴ります。

誰のための、消費増税なのか?

2019-09-30 20:00:00 | 思うこと
明日から、消費税率が一部食品などを除き10%になる。
キャッシュレス決済なら来年6月まで数%のバックがあるそうなのだが、仮に経費をキャッシュレス決済した場合は領収書の額面通りではなく割引後の金額で申請せねばならない。
しかも8%と10%が混在する買い物をし、キャッシュレス決済をして8%と10%の明細が出ず一括の領収書だった場合、手計算で申請しなければならない。
こんな面倒なシステムなら、いっそ一律にしてくれよと言いたくなるのだが、それも政府の作戦のうちかもしれない。

そもそも、軽減税率って一体何なんだ。
なぜ電気・ガス・水道が10%で、新聞が8%なのか。
例えば安倍政権そのものや原発について、主要5紙の論調は分かれるが消費増税については見事に全紙同じく、やむなしとしている。
「増税に賛成してくれたら、新聞だけは軽減してあげる」
といったやり取りが政府と新聞協会の間であった、という噂は随分前からある。
以前にも言ったが、「活字文化の醸成」を大義名分とするなら、書籍も軽減すべきだ。
「欧米では『知』には課税しない、が一般的だ」
と言う新聞もあったが、では音楽や美術、芸能は知ではないのか。
自分達だけが助かりたかったのがミエミエである。

一部政府御用学者が
「消費増税から逃げるのは、幼稚だ」
と発言しているのを、しばしば目や耳にする。
断っておくが、私は消費増税に何が何でも反対というわけではない。
ただその前にやる事が山ほどあるのに、なぜそれに手を付けないのだ?という疑問を呈しているだけだ。

目的と手段を、履き違えてはならない。
増税の目的は、将来にわたって安定した財源を確保し、財政赤字を解消し、経済を発展させる事だ。
経済発展のためには、今よりもさらに法人税を下げて海外企業からの投資を促す必要がある。

では消費税というものが創設されて30年、日本の経済は発展したのか?
ネットを叩けば、すぐにこんなグラフが出てくる。


要するに、日本のGDPはここ20年、いや30年ほどほとんど伸びていない。
大卒初任給だって、もう随分前から20万円かそこらになり、ほとんど伸びていない。
もちろんバブル崩壊やリーマンショクなどのアクシデントは大きかったにせよ、国策として消費増税&法人減税、さらにアベノミクスと称して名目インフレ率を設定、それに向けてお札を刷り続けてきた(いわゆる『リフレ経済学』)というのに、景気は一向に良くならない。

今の日本経済の重荷になっているのが超・高齢化社会による社会保障費だ、と信じている人は少なくない。
では一説には1070兆円とも云われる国の赤字の元凶は、高齢化なのか?
違う。答えは、バブル崩壊後の10年で国と地方を合わせ630兆円もつぎ込んだと云われる公共事業だ。
国税庁によれば、平成28年の社会保障関係費は約34兆円。
実に今の社会保障関係費の倍のコストの公共事業を、バブル崩壊後の10年間かけ続けていた事になる。
それほど莫大な公共事業が、果たして有効だったのか。

団塊の世代が一斉に後期高齢者になる一方、少子化による労働人口の減少は切実だ。
しかしコレはいわゆる小泉・竹中ラインで派遣業を一般企業にまで広げた事と密接に関わっていると考える。
企業は非正規雇用ばかりを増やし、景気や売上げが悪くなればバッサリ切る。
リーマン後の「年越し派遣村」は、その象徴だ。
大学を出たのに非正規雇用しか道がなくては、結婚し子を育てられない。

過去の度重なる失政を棚上げし、米国からは戦闘機やミサイルをジャブジャブと買わされ、沖縄駐留米軍には至れり尽くせりの思いやり予算。
社会保障のためと言いながら働けず年金で細々と暮らす老人からもカネを取り続ける消費税の増税が、老人のためだなどとよくシャアシャアと言えるものだと思わずにはいられないのである…