ほしちゃんの「続・なるようにしか、ならん」。

安くてウマいもんと料理と旅行と音楽と競馬が好きなサラリーマンの暮らしを、ありのままに綴ります。

大いに盛り上がった、MGC。

2019-09-15 20:00:00 | エンタメ


東京2020五輪の男女マラソン日本代表を一発勝負で決める新設レース、「マラソン・グランド・チャンピオンシップ(MGC)」が東京都内で行われ、男子は中村匠吾・服部勇馬。女子は前田穂南・鈴木亜由子がそれぞれ1・2位に入賞し、五輪出場内定を決めた。
権利を得た4選手には、心から拍手を贈りたい。

我が家は妻と息子が長距離ヲタクなのでマラソンと駅伝は必ず観ており、私も随分勉強になっているのだが、これだけ私自身ワクワクしたのはおそらく初めてだ。

かつては男子は瀬古・中山・宗兄弟・谷口・森下、女子は有森・高橋・野口などがマラソン黄金時代を形成した事もあったのだが、近年は特にアフリカ勢に押されっぱなしでメダルには遠い状況が続いている。
条件の異なるいくつかのレースの上位をもとに五輪代表を選ぶ事に異議を唱えた瀬古氏が
「一発勝負の選考レースを作ろう!」
と、今年創設したのがMGCである。

レースは、男子は旧日本記録保持者の設楽がスタートから独走、楽勝かと思われたが高温のなか徐々に体力を奪われ、第2集団で脚をためていた大迫、中村、服部らに残り5kmほどで一気に抜き去られる。
ラストはすさまじいスパート合戦になり、積極的に仕掛けた中村が猛追を振り切る。内定ラインである2位をめぐって服部と現日本記録保持者の大迫が激しく競り合うも、最後は服部がしのいだ。
この中村、服部、大迫、さらに逃げてレースを大いに盛り上げた設楽、全て箱根駅伝のスター達である。
「なぜ日本では、箱根があれほど盛り上がるのにマラソンは盛り上がらないのか?」
と云われた事もあったが、今日の盛り上がりを見ればそれが過去の事である事はお分かりいただけるだろう。

失速した設楽以上に残念だったのが、4強の一角を形成していた井上だ。
去年のアジア大会を勝ち切り、暑さには強いと思われていたのだがほぼ見せ場なく27位の惨敗。巻き返しに期待したい。

残る代表のイス1つは福岡国際・東京・びわ湖毎日のいずれか(これら3つを今年度は『MGCファイナルチャレンジシリーズ』と呼ぶ)で日本記録を破った選手がいればその中の最上位に与えられるが、その記録が今日3位の大迫自身だけに、大迫が選出されるのは間違いないだろう。
MGCにも出て来られないような選手が、向こう3つのレースで記録を破るとは考えにくい。

一方女子は、大方の予想を裏切るハイペースとなり早い段階で前田と鈴木の争いに絞られた。
ゴール前は残り1つのイスを目がけて小原怜がわずか4秒差まで追い詰めたが届かず3位。
小原は名古屋ウィメンズでもわずか1秒差に泣いてリオ五輪代表から漏れた事があり残念だが、こちらもファイナルチャレンジシリーズ次第で代表に選ばれる可能性は高い。

私が個人的に強く推していた「腹筋女王」松田瑞生は前半から出遅れ、中盤で先頭集団に追いついたが後半も伸びを欠き4位。
彼女の事なら、立て直して来年1月の大阪で激走を見せてくれるはずだ。

私も素人なりに様々なレースを観てきたが、おそらくこのようなオールスター的マラソンを観たのは初めてである。
今日のMGC への出場権をかけてこれまで激しいレースが繰り広げられ、今日スタートラインに立った男子30人(うち一色は欠場で29人)、女子10人は言わば全員が勝者。
まさに、マラソンの有馬記念であった(笑)。

MGCをやったからと言って、そこで選ばれた代表がいきなりメダルにからむほど世界は甘くないのだが、このように誰もが納得する方法で代表を選び、その選考の場を檜舞台に仕立て上げた瀬古氏、アッパレである…