「やってみなくては分からない」。
そんな声を多くの司法関係者から聞く中での裁判員制度のスタートとなった。
21日は裁判員法の施行日である。きょう以降に起訴された殺人など重大事件の公判では、6人の裁判員が、3人の裁判官とともに判決を決めることになる。
実際の裁判が始まるのは7月以降になりそうだ。
日本の裁判所は「敷居が高い」「国民との距離が遠い」などと言われてきた。それを考えれば、くじ引きで選ばれた一般の人が法壇に座り、被告を裁く新制度は、極めて大きな転換点である。
読売新聞の4月の世論調査では、制度導入で刑事裁判が「良くなる」「どちらかといえば良くなる」と思う人は48%だった。この割合は調査ごとに減っている。
一定の期待はあるものの、制度が知れ渡るにつれ、疑問視する人も増えているようだ。
国民の参加意識も低いままである。「参加したくない」という人は79%に達している。「自信がない」「人を裁くことに抵抗を感じる」といった理由が多い。
有罪か無罪か、死刑か無期懲役か――。こうした難しい判断に直面すれば、プロの裁判官でさえ苦悩する。刑事裁判にかかわったことのない人が、被告を裁くことに尻込みするのは当然といえる。
法律の素人である裁判員が適切に判断できるように、事件のポイントなどを分かりやすく説明する。それが裁判官の最も重要な役割といえよう。
裁判員には守秘義務が課せられる。判決を決める評議の内容を口外すると罰せられる。確かに、だれが死刑を主張したかといったことが漏れれば、自由な議論ができなくなるだろう。
しかし、裁判員を務めた感想を言うことは認められている。裁判官の対応は適切だったか。改善すべき問題点はないか。裁判員に選ばれた人は、自ら体験して感じたことを、ぜひ会見などで率直に語ってもらいたい。
裁判員の生の声は、不安を抱える人たちにとって、大いに参考になるはずだ。裁判所は、裁判員が情報発信することに、積極的に協力すべきである。
裁判員がかかわった公判の検証も欠かせない。法務省や最高裁は量刑の傾向などを分析し、その結果を開示していく必要がある。
改善点が浮かび上がれば、制度を柔軟に見直していくことが肝要だ。新制度が公正・公平な刑事裁判の障害となってはならない。
裁判員制度 参加意識が低いまま始動した
社説・コラム YOMIURI ONLINE(読売新聞)
裁判員制度 ~平成2009年5月21日からスタート!~
最高裁判所
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