(「兄弟対決」が実現したJ.D.(右)&スティーヴン・ドリュー)
今日は午前10時35分から、高瀬有紀子さんとのコンビで、スカパー!MLBライブ「ダイヤモンドバックスvs.ドジャース」を担当しました。
実は昨年、高瀬さんと私は同じアリゾナでの同じカードを担当し、スコアこそフランクリン・ルーズベルト大統領が「野球でもっとも面白い」と言った8対7だったものの、投手のストライクは入らない、野手のエラーは続出という絵に描いたような凡戦で、午前11時に始まった試合が終わったのがなんと午後4時近かったという、恐るべき体験をしています。延長戦に入ったときには二人とも猛烈な空腹感に襲われ続け、イニングが終わるたびに高瀬さんが「お腹空いた~」と悲痛な?叫びを上げていたのを昨日の事のように憶えています。
しかも、最近の高瀬さんはなぜか長時間ゲームや延長戦が続いており(もちろん試合内容がよければどんなに長くても苦にならないのですが)、私も7月初旬の日・月の試合で4時間半、3時間半という長い試合を立て続けに経験したこともあり、このことは試合前の控え室から放送終了まで、決して口にしませんでした。6月のアストロズvs.レッズ戦では、「この前、アストロズがパイレーツと戦った延長18回の大熱戦、ああいう試合を担当したいもんですねえ」と口を滑らせたところ、試合が同点になり延長に突入。いやあ、その直後、Aki猪瀬さんやスタッフから浴びせられた非難の嵐?を思い出すと、とても去年の大延長戦のことを高瀬さんの前で口にする気持ちにはなれませんでした(笑)。しかも、今日の私はなぜかコメントしたことがことごとく裏目に出る?試合展開で、ショーン・グリーンの長打力の衰えについて話していたら特大の2ランホームランが飛び出したり、ノマー・ガルシアパーラの好調なバッティングについて話し始めると、あっさりと初球を叩いて併殺打に倒れたり……。あまりのタイミングのよさ?に、高瀬さんはイニングを占めるコメントの最中に半分噴出していましたが(笑)。そういえばこの前のヤンキース戦でも、Aロッドの打席で小言をいい始めたら逆転の2ランホームランが飛び出しましたしね。
試合は試合前の懸念どおり、最近4試合の平均防御率が9点台を超えていた(!)ドジャースの先発デレク・ロウが、ダイヤモンドバックスの打順がひと回りした4回裏につかまり、後続のリリーフ陣も打ち込まれて8対0と一方的な結果になってしまったのですが、Dバックスの先発ミゲール・バティスタが、今季3度目の完投勝利を2年ぶりのシャットアウトで飾る快投を見せ、打線ではマイナーから昇格したばかりのスティーヴン・ドリューが2本の二塁打、三塁打1本と大爆発し、守備でも再三素晴らしいプレーを見せてトッププロスペクトとしての素質を大いに発揮するなど、見どころの多い試合でした。
ドリューは今日相手のドジャースで三番を打っていた兄のJ.D.や次兄のティムとともに、3兄弟で合計5回のドラフト1巡目指名を受けている、アメリカでもっとも有名なスポーツファミリー。しかし、素質はおそらくこの三男がもっとあるのではないでしょうか。何と言っても4打席目に放った三塁打がすごかった。トップスピードのまま二塁ベースを回った瞬間、思わず「すごい!」って叫んでしまいましたからね。こういう反応が自然に出たのは、オリオールズ対マリナーズ戦で、ユニスキー・ベタンコートが三塁打を打ったとき以来でしょうか。
アメリカの野球専門誌「Baseball America」が発行している「Prospect Handbook」の今年度版では、このドリューがDバックスのトッププロスペクトにランキングされており、その評価欄には、あるスカウトの証言として、「The Perfect Combinetion of baseball tools and baseball skills」というコメントが紹介されています。「完全なる野球の素質と能力の結合」ということでしょうか。
たとえダイヤモンドバックスのように(まだ地区優勝やワイルドカードの可能性はありますが)優勝コンテンダーとは言えないチームでも、このドリューのように野球界の将来を担う逸材が必ず一人か二人はいるのが、メジャーリーグの素晴らしいところ。長兄のJ.D.が現在のところ、必ずしも期待されたほどの大選手になっていないだけに、スティーヴンの大成をベースボールファンのひとりとして心から願うばかりです。
※スティーヴン・ドリューのプロフィールなどはこちらから↓
http://arizona.diamondbacks.mlb.com/NASApp/mlb/team/player.jsp?player_id=452220
#将来が楽しみです。
次兄のTimothy Drew投手が、長兄のJ. D. Drew相手に登板したとききましたが、MLB.comをみると、彼はここ数年大リーグに昇格していません。(なんかの聞き違いだろうか) それとも、3Aで調整中のJ. D. Drewが弟と対戦したのでしょうか。
兄弟と言えば、今年華々しいデビューをかざったJered Weaver は、お兄さんのJeff Weaverを、一緒に所属していたエンジェルスからカージナルスに追い出す形になってしまいましたね。
#実力の世界と言ってしまえばそれまでですが。