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デニー友利の再出発に期待する

2006年01月16日 | Baseball/MLB
デニー友利投手の中日ドラゴンズ入団が正式に決定し、入団会見が行なわれた。
昨年、もしレッドソックスに昇格したら、Boston S○cksのトランペッターO氏(バークリー音楽院出身)を連れて観戦に行こうと思っていたのだが、残念ながらそれは果たせなかった。ただ、大きな故障もなく、リリーフとして実績もあるので、ドラゴンズでぜひもうひと花もふた花も咲かせてもらいたい。
デニーがドラフト1位で当時の横浜大洋ホエールズに入団したのは1988年。印象に残っているのは、とにかく礼儀正しく、言葉遣いが丁寧な好青年だったことで、自分からきちんと挨拶してくれたドラフト1位のルーキーは彼が初めてだった。もう一人は意外かもしれないが佐々木主浩。考えてみれば、私が大洋の仕事をしていた83年~90年の間にドラフト1位で入団した選手のうち、まだ現役なのはもうデニーと谷繁元信だけになってしまった。谷繁は入団したとき、礼儀を知らなかったわけじゃなく、好青年だったんだけど、ものすごくシャイで、すぐに一軍に抜擢されたこともあって、なかなか自己表現するのが難しかったみたいだった。その2人が奇しくも今季ドラゴンズでまたバッテリーを組むわけだ。
デニーには丸3年取材させてもらったと思うが、とにかくどんなときでも私に対してタメ口でしゃべってきたことがない。いつも「敬語」。どんなバカ話、世間話をしているときもそうだった。だから、逆に内心「気を遣いすぎだよ」と心配したものだ。
いい素材だけに、入団からしょっちゅうフォームをいじられていたのは何とも気の毒だった。結局サイドスローに転向して成功したのだが、私としてはあれだけの長身であり、本人も「バート・ブライレベンのようなカーブを投げてみたい」と言っていたから、正統派のオーバースロー投手として大成して欲しかった。野球界にはなぜか、「身長190cm以上の選手は大成しない」って迷信がまかり通っているのだが、もしかするとデニーもその影響を蒙って、指導者たちに変な色メガネで見られていたんじゃないかって気がする。
彼に望みたいのは、とにかく40歳までは現役を続けて欲しいということだ。彼自身も昨年、渡米したときのインタビューで言っていたのだが、日本では大きな故障もなく、力も十分にあるベテランが、単なる数合わせの犠牲となって余力を残して引退を余儀なくされるケースがあまりにも多い。ホークス入団が決まった芝草も、まだ146kmのスピードがあるのだ。テストを受けたとき、立ち会った王監督や秋山二軍監督が「どうしてコイツがクビになったの?」みたいな表情をしていたのが何よりの証拠だろう。

デニーに関して言えば「余力」どころじゃない。これから年間のセーブや登板数の新記録を作ることだって可能だろう。むしろ、それぐらいの意気込みで、これからの遺された「長い」野球人生に取り組んでもらいたいのだ。
今年は試合を見に行くから、必ず一軍にいて活躍してくれよ!

追記:ゴメン、デニー。君はもう今年で39歳になるんだな(笑)。どうも入団当時のイメージが強いもので。だから訂正。「45歳」までは現役を続けてください!


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