山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

かなえてあげる(さんぽうた223)

2024年05月17日 | いきもの

   かなえてあげる   せらすちうむ ゆき

 

なんだかさ

なくなると

きゅうに こいしくなるものって ない?

 

うんざりだ とか

みるのもいやだ

なんて いってたくせに

 

いなくなったら

こころに あながあいてしまったかんじ

 

そういうきもちのかた

いらっしゃい!

 

かなえてあげる

あなたのゆめ

 

ないものねだりの

あなたのために

 

わたしは

なつのゆき

くものじゅうたん

はるのあいすくりいむ

 

ほら

あなたがほしいものに

みえてきたでしょ

 

       このごろ気づいたんです

       シバザクラなんかとは違うけど

       絨毯のように広がる純白の花

       近づいてみると

 可愛らしい5弁のハートを並べたような可憐な花です。

 調べてみたら、セラスチウムというお名前で、地中海が原産だそうです。

 俗名で『夏雪草』という名前がついていて、そちらの方がしっくりくるんですけど、同名の花があるので、この呼び方には注意が必要なようです。

 私がしっくりくると思ったのは、この花の様子が、まるで新雪が積もったように美しいから。

 でも、見る人によっては、絨毯だったり雲だったりするんだろうな。

 とにかく、想像力が掻き立てられるきれいな花です。

 このところ、タケノコ採りにうつつをぬかしていたら、いつの間にか景色が変わってしまっていたことに気付いた今日の散歩でした。


どうぞ ごいっしょに(さんぽうた222)

2024年04月18日 | いきもの

  どうぞ ごいっしょに    やなぎの めぶき

 

はるのけしきを

はなやかにいろどる

あなたたちは

とてもすてき

 

でも

このよろこびは

わたしも おなじ

 

おともだちに なるのは

はずかしい

 

それほど

あなたたちは

かがやいているんだもの

 

でも

このきもちだけは

おんなじよね

 

どうぞ ごいっしょに

わかちあわせてね

 

この はじまりのきせつの

よろこびを

 

       桜の咲き始めた公園(先週末の画像)

       もちろん主役は桜なんだけど

       いっしょに芽吹き始めた草花も沢山あります

 何と言っても、春。

 命の季節の始まりだからね。

 そんな中で、すごく心惹かれるのが、このお方。

       『めぶき』さんです

       けして派手ではないけれど

 優しい枝に、優しい葉。

 風が吹けば、風になびき、

 雨が降れば、雨水を受け止め、

 日差しが降り注げば、

 涼しい日陰を用意してくれる。

 その、たおやかな姿には心惹かれます。

 

 素敵な木です。

 こういう存在が、憩いの空間を創ってくれる。

 そんな嬉しさから、また、『めぶき』さんに会いにいきます。

 多分、花が散っても。


このひのために(さんぽうた221)

2024年04月12日 | いきもの

  このひのために   はくもくれん まりあ

 

どんなにさむくても

どんなにあつくても

じっと たえてきた

 

このひのために

すべてのことに たえて 

のりこえてきた

 

いいえ

このひがあるから

どんなくるしみでも

のりこえられた

 

そして きょう

すべての くるしみが

はじけさり

 

いま わたしは

よろこびに つつまれている

 

 

       ハクモクレンの花が、急に咲き始めました

       固い蕾を割って

       空に向かって春の喜びを広げています

       近所の空き地でも

       それはそれは見事に咲いています

 冬の初めごろから、固い蕾に守られた姿が気になり始めます。

 でも、なかなか開かないんです。

 花の方は、

 「外に出たい!」

と言っているのに、蕾は、

「まだ早すぎる。」

とたしなめているかのように見えます。

 それが、このところの温かさを感じてか、

「よし、もういいぞ!」

「ありがとう。嬉しい!」

こんなやりとりに変わったのではないでしょうか。

 

 素敵な花です。

 この花を見ると、私まで春の喜びに包まれている気がしてきます。


ほんきでみつめて(さんぽうた220)

2024年04月05日 | いきもの

   ほんきで みつめて   すいせん なる

 

いつも そうよね

わたしのことだけ

しらんぷり

 

ああ きれいだね

なんて

くちさきばっかり

まじめに みようともしない

 

わたし

せいいっぱい

さいてるのよ

 あなたのために

 

ねえ

ほんきで みつめてよ

わたしのこと

 

いちばんきれいな

いまの

わたしのこと

 

       散歩道の片隅に鮮やかな黄色

       スイセンが咲き始めたんですね

 寒かった3月をようやく抜け出し、春の陽気を感じたのでしょう。

 その日からは、

       あちらでも

       こちらでも

       美しい姿が見られるようになってきました

 喜んでカメラに収めていると、

「どうせ、本気じゃないんでしょ!」

と、怒ったような声。

「え?」

「そうやって写真は撮るけど、それっきり。いつもそうよね!」

「そうだっけ?」

「そうよ、毎年毎年、一生懸命咲いてるのに。」

『なる』ちゃんは、泣き出してしまいました。

「ゴメン、全然気づかなかった。」

「ちゃんと、私のこと見てよね。」

なんだか気まずい雰囲気で別れることになってしまいました。

なにか、悪いことしたっけ?

 違和感を拭えないまま帰宅して画像をまとめようとしたら、確かに、毎年写真を撮っていたことが分かりました。

 これだけきれいな花の声を、なんで『さんぽうた』にしていなかったのか考えてみました。

 そして、はっと気づいたんです。

 スイセンの時期って、春の山菜がスタートする時期とピッタリ一致するんです。

 つまり、山菜採りに夢中になって、『なる』ちゃんの声を本気で聞いていなかったんだ。

 あちゃー

 これは、済まないことをしていた。

 この次会ったら、きちんと謝らなくっちゃ。

 ごめんね『なる』ちゃん。


みんなより ちょっとだけ(さんぽうた219)

2024年03月24日 | いきもの

   みんなより ちょっとだけ   くろっかす ひなた

 

ぼくは

みんなより ちょっとだけ

ちいさいから

 

みんなより ちょっとだけ

はやおきして

 

みんなより ちょっとだけ

おひさまと なかよくなるのさ

 

そうして

 

みんなから ちょっとだけ

かわいがってもらいたいな

 

ちょっとだけだよ

 

       この頃の寒の戻りで、草花が足踏みしている中

       日当たりの良い草地に黄色い花が咲き始めました

       よく見ると、紫色のつぼみも準備を始めていました

 自宅に帰ってから、近所の庭を眺めてみると、

       こちらでも咲き始めています

       紫色も大きくなっていますね

 人が育てている草花の中では、一番早いみたいです。

「やあ、一年ぶり。」

「こんにちは。」

「今年も一番乗りみたいだね。」

「そりゃそうさ。なんてったって、ぼくらは小さいからね。」

「どういうこと?」

「だって、大きい草が伸びてからじゃ、誰からも気づいてもらえないんだよ。」

「そうか。だから一番乗りなんだね。」

「うん。その分、お日様からも虫たちからも、笑顔がもらえるんだよ。」

「早起きは三文の徳ってやつか。」

「ま、そんなところさ。」

 春の使者と呼ばれる草花は、たくさんいるけど、それぞれの事情に合わせて、少しずつ花時をずらしているわけですね。

 その中で、小さい『ひなた』君は一番乗り。

 だとすると、『ひなた』君の花時は、そんなに長くないかもしれないな。

「じゃあ、またね。」

「うん。できれば青空が広がったら遊びに来てね。」

「わかった。」

 次に晴れたら、忘れずに会いに行くことにしましょう。

 春の喜びに、心温まるひと時でした。