花園神社から山を下って県道27号線にでた。これから北にある弥太郎林道にむかう予定だが、その前に昼食をとりたい。花園渓谷をぬける県道をいっても食堂はなさそうだから、手前にあった増渕魚園という釣り堀兼食事処にゆくことにする。入口から急坂を上り詰めると山小屋風の建物があらわれた。
店内はログハウスのようである。平日の13時だが客は4組いた。店に入ると山女かニジマスをえらんでくれと言われる。料理は川魚定食の一種類で、焼き魚をえらぶだけなのだ。元渓流釣師だった私はまよわず山女をえらぶ。ニジマスのほうが大きいが、山女のほうが美味いのだ。刺身はいりますか、とも聞かれた。山女でもニジマスでも刺身にできるのだそうだ。刺身にするなら脂ののっているニジマスのほうがよいので、それもお願いした。
山の中でほかに選択肢がないからここに来たのだが、なんだか面白い店である。なにしろ料金がどこにも書いていないのだ。でもお客は意外といて、美味しい、食べきれないわ、などと話しながら食事をしている。料理はどれも山盛りだ。
川魚を焼くのは時間がかかるが、15分ほどで料理はやってきた。品数が多いのにおどろく。
山女の塩焼き。写真では焼きすぎで塩が強すぎるように見えるが、ベストの焼き加減だった。短時間で魚を焼いてきたので、さすがに川魚のプロだと感心する。まずは熱々のこれにかぶりついた。山女は独特の香りがあって大好きなのだ。
つづいてニジマスの刺身。一人前でもたつぷりとある。サーモンのように見えるが、それをもっとサッパリとさせて、コリコリにした食感である。以前北海道の十勝でもたべたことがあるが、ニジマスの刺身はいける。ほんのりと脂がのり、香りはサーモンと同じだ。
天ぷらの盛り合わせ。隠れて見えないが人参やサツマイモの天ぷらもあるから、これも量が多かった。
刺身こんにゃく。生姜をちらしてあるのが効いていた。刺身こんにゃくに生姜があうのははじめて知った。
そして小鉢がいい。いろいろとあるのであれこれとたべる。
旬のタケノコの煮物がうれしい。どれも素朴な味だがこれは大したご馳走だった。滅多にたべられるものではないと思う。こういうものがたべたいのである。
料金は焼き魚定食が1540円。刺身は770円。合計2310円だった。また通いたい店がみつかった。
県道27号線を北上して弥太郎林道の入口についた。
林道に入ってゆくと二股があり、右の道は閉鎖されている。そこにゲートをくぐって進入するオフロード・ライダーのグループの写真がはってあった。こういうことはしないでください、とある。これはいかんよね。
左の閉鎖されていないダートをすすむと弥太郎林道の基点についた。工事中の案内がてでいる。
出だしの路面はよかった。舗装まじりのダートがつづくが、すぐにアスファルトが波打ち、大荒れになる。
道路は崩壊しているので、歩いて先を見にゆく。
路面は深く掘れてしまっている。これでは走れないし、押してゆく気にもなれない。
停めてあるバイクをみる。
バイクは波打っているアスファルトにとまっている。
弥太郎林道はここで引き返すことにした。
北にある四時川林道にむかうが空の色が悪くなってきた。車にもどろうかと思うが、まだ15時なのですすむことにする。ふだんの生活では淡白なのだが、旅では精力的に行動するというのが信条なのだ。県道と国道をつないで四時川林道の入口に到着した。
四時川林道は川沿いの広くて走りやすいダートだ。今日走ったなかでいちばんよい路面だった。
しかし2、5キロ地点で工事中だった。トラックが3台とまっていて、横を通ることもできない。彼らは仕事中で私は遊びだから、どいてくれとは言えず、ここで引き返すことにした。
国道289号線で道の駅はなわにむかうと、雨が降りだしてしまった。雨宿りをするが、止まないのでカッパを着て走りだす。
幸い雨足は弱まり、濡れずに車にもどることができた。
雷が鳴っているので、バイクの泥をざっと流してハイエースに積み込む。セローに給油してきたが、燃費は42、8K/Lとおどろくべき数字をマークした。インジョクションはすごい。
この直後に夕立となった。空に稲妻がはしっている。林道走行を切り上げてきてよかった。降雨のなか12キロ南にある湯遊ランドはなわという温泉につかりにゆく。さらさらの泉質の湯に500円で入浴した。
雨はあがった。道の駅はなわにもどり、スーパーで買ってきた中華総菜と鯛の刺身で一杯やる。
気温は9℃と冷えてきた。毛布をかさねて入念に寝床をととのえる。朝、道の駅はなわについたときには首都圏ナンバーの車は私しかいなかった。しかし今は5台ほどいて車中泊をしている。自粛警察がいるかもしれないとも思ったが、そんな雰囲気はまったくなかった。
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