名古屋でも上映が始まりましたので観てきました。
いつもどおりネタバレ考慮してませんので自己責任で読んでくださいね。
予想通り答えありきのお話なので、考え方や表現が偏るのは仕方がない。
おそらく全人類、原発は無い方がいいと理解はしていても、地域経済の衰退、交付金等の恩恵が無くなる、仕事が無くなる、生活が立ち行けなくなる恐れ、様々なしがらみ等でもう後戻りできない人が、地域が出来上がってしまっている。
だから、現実世界でも無いほうがいいとは思うけど、その地域の人達が生きて行けなくなる事なので、外から勝手にやめろともおいそれと言えない、曖昧な答えしか出せない。
お父さんが説得されて、徐々に軟化していくのは、トテモ良いことだと思うけど、きっと現実はそんな素直に考え方を改める人は多くないと思う。
この家族は演出上良い話で終わってるけど、飲み屋の席で意見対立してた人が仲悪くなってしまって、おそらく彼とは二度と修復できてないと思う。政治と野球と宗教の話しは揉める原因トップ3なので、酒の席で出すと議論じゃなく喧嘩になる。家庭内でそれが起きたら最悪だ。たぶん二度と話し合いなんてできなくなる。
序盤のそんな描写はリアルで、現実的で、見てて辛くなるね。
主人公も、妹も、お母さんも、ちゃんと考えようと勉強したり人に聞いたりして学ぼうとしてた。お父さんだけが因習に囚われ、学ぼうとせず、頑なにこれが正しい道だと言い続ける事が滑稽に見えて来る。意図してそう描かれてる部分もあるけど、きっとそれが愚かな事なのだと言うメッセージなんだと思う。
さてさて、南さんは途中お母さんと主人公が参加する再生可能エネルギーを学ぶ市民セミナーの大学教授の役。そこで放射線等の基本的な事も教えてくれるので、そりゃまー難しい専門知識を長台詞でしゃべるのはすごかった。教授のわかりやすく教えようとする役柄と南さんの喋り方がマッチしててとてもわかりやすく頭に入ってきた。
数値以外は大まかには知ってる内容だったのもあるけど。
ただ、最初にさらっと「放射能は放射線を発する能力の事です」、と言う説明を挟んでおいてその後はずっと放射能って言葉を使ってるのが気になった。こういった学者の説明で使うなら放射線の影響、もしくは放射性物質の摂取だと思うんだけど、どうなのかな。
主人公の同僚の語り口もわかりやすかった。
相手にわかりやすく教えよう伝えようという言葉たちは、脚本から視聴者へ向けてのものだからだろうね。全般的にわかりやすくなっていたと思う。
なので思っていたほどわかりにくくはなかった。
いま、リアルタイムで再稼働の是非について司法判断が下されたけど、原子力発電所は今は電気は作っていないけど、今もなお臨界にはなってないだけで動き続けてるし、それを維持するためのコストと低レベル廃棄物は出続けてる。
火力発電で足りてると言うけど、廃棄寸前の老朽化した発電施設をフルで使っている所もあるので、こちらも実は事故の危険が高く新設しないといけないのだけど、建設反対にあってなかなか進まない。火力発電を作るまでは、電力会社としては、原発はいずれ廃炉にするにしてもとりあえずは発電しないともったいない、という部分もあるらしい。
結局赤字やそういう費用は電気代が上がるか、税金突っ込まれるかなので、私達の負担になるわけだから、廃炉にするなら早くしたほうがいいし、火力発電は早く作って古いのは引退させたほうがいい。
いつになく真面目なブログになってしまったけど、この作品だから仕方がないね。徒然とまとまりない考えを書いてるだけなので、実際の詳しいことは知らん。聞くな。