今日11月20日は、ハンガリー国立歌劇場において、マーラーの交響曲第1番が初演された日です(1889年、指揮:マーラー、演奏:ブダペスト・フィルハーモニー交響楽団)。偶然、今日がその日と知り、その曲を聴きながら、これを書いています。
手元にあるCDは、レナード・バーンスタイン指揮、ニューヨーク・フィル演奏の録音(1966年4月10日、ニューヨーク・フィルハーモニック・ホール)です。CBSソニーの「BEST CLASSICS 100」というシリーズの中の1本なので、学生時代に購入したものだと思います。
手元には1番のほか、4番、5番、8番の4枚のCDがありますが、一番好きなのが、この1番です。
しかし残念ながら、現在ではマーラーの初演のスコアでの演奏を聴くことはできません。「ブダペスト稿」と呼ばれるこのスコアは、失われてしまっているからです。現在、一般的に聴くことが出来るのは、1896年3月にベルリンで演奏した「第3稿」後に修正を加えたスコアによる演奏だそうです。
マーラーはオーストリア生まれですが、交響曲第1番を初演した当時は、オーストリア=ハンガリー帝国になっています。1848年のフランス革命の影響はオーストリアにも及びました。対外的にはオーストリアと同じくドイツ連邦を形成していたプロイセンとの戦争に敗北し、ドイツ連邦は事実上解体。このような時代に青年期を過ごしたマーラーが、交響曲第1番にどのような思いを託していたのか・・・初演から7年以上もかけてスコアを修正し続けた青年マーラーの思いに心を寄せて聴いてみるのも面白いかもしれません。
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