今シーズン私のワードローブに新たに加わった梳毛のカシミアのジャケットです。
今回もお馴染み(?笑)の『天神山』さんでお願いしました。実はこのジャケット!気の早いことに夏の終わりごろには既に出来あがっており、それからというものここ数日のような寒さが到来するのを足摺りする思いで待ち焦がれていました!今回は天神山さんのご好意を得て天神山・銀座店内での撮影ということもあり、満を持しての渾身のアップでございます笑。撮影直前まで着用していたので若干皺が入っているのが気になりますが(苦笑)今回は敢えて、天神山の立体的な服作りを表現したくて陰影を強調する撮影としました。決して店内が暗いわけではありません汗。
今回もナチュラルショルダー、三つ釦段返り、サイドベンツ、スリーパッチポケットのスポーティーなモデルです。生地はイタリア・グァベロ社の年代物のカシミア100%、ロンドンの銀行マン(といってもロンドンの銀行マンに知り合いはいませんが)が好んで着るような非常ぉ~にクラッシックな柄に挑戦してみました。色の違う数種の茶の糸で織られた小さなグレンチェック(?)によく見ると赤と青の細ぉ~いオーバーペインが入っています。肩から上襟にかけての窪みの曲線に生地の柔らかさと鎌襟仕上げの技術の高さが伺えます(な~んてシッタカしてみました汗)。
その生地感ゆえ店長のIさんからは腰ポケットはフラップを奨めていただいたのですが、天神山のパッチポケットの美しい曲線に惚れ込んでいる私としては敢えて今回もパッチにしました。でもやっぱりフラップも良かったかな~なんて思ってもいます笑。さりげなくポケットの柄合わせも完璧ですね!ラペルのロールは相変らずの見事な返りです。
毎回密かな悩みの種である釦のチョイスですが、今回はすんなり茶色の練り釦にしました笑。
折角のお店での撮影でしたのでトルソーを使わせていただきました。胸元のボリューム感、ウェストのシェイプ、下腹部を包み込む丸み‥立体的で柔らかいイタリアンテーラリングの妙がお分かりいただけると思います。さすが長年横浜信濃屋さんとコラボレイトしているファクトリーですね。私の、手足が短く昔懐かし“いなかっぺ大ちゃん”体型をそっと優しく包み込んで世間の嘲笑から(大袈裟ですね笑)守ってくれます。
上の写真群のコーディネイトは薄いブルーのシャツにボルドーのアスコットタイにしましたが、下の写真は、Iさんに選んでいただいた私の好きな幅広のストライプ柄ウールタイにネイビー基調のシルクのチーフを挿して露出も少し変えてあります。足元はグレーフランネルのパンツにスウェードのフルブローグを合わせれば王道の秋冬の装いを楽しむことができそうです。一見コーディネイトが難しそうかとも思いましたが、色々楽しみながら試して我がセンスに磨きをかけたいと思います。
図々しいお願いにも拘らず、撮影にご協力していただいたオーナーのMさん、店長のIさんにこの場を借りてお礼を申し上げたいと思います。お忙しい中、本当に有難うございました。
少し背伸びをしましたが、希少な価値ある生地を使った、年経るにつれ愛着が湧いてきそうなジャケットに仕上がりました。ゆっくりと自らの体温で体に馴染ませていこうと思います。
天神山さんのHPです→http://www.tenjinyama.jp/
信濃屋さんのHPです→http://www.y-shinanoya.co.jp/top.html