我が家の飼い猫(♀)です。
私は旅行が大好きで、独身の頃九州を一人旅したときに立ち寄った長崎県亀山で彼女を拾いました。
その時私は、長崎県亀山に現存する、私が予てから敬愛している坂本竜馬が日本で最初に興した株式会社・亀山社中(後の海援隊)の跡を訪ねた帰り道。真夏の暑い盛りで、くねくねと曲がりくねった亀山の急坂を長崎市内に向かってうんうん言いながら歩いていて、何度目かの曲がり角を曲がった時、一匹の仔猫が、道の真ん中でにゃあにゃあとか細い声で鳴いている姿が視界に入ってきました。
場所は山の中で民家もまばら。周りを見渡しても飼い主らしき人影はありません。私は動物があまり好きではない(特に虫は大の苦手)のですが、ちょっと放って置くこともできない状況でしたので仔猫に恐る恐る近づいてみました。すると、仔猫も頼りない足取りでこちらに近づいてくるではありませんか。
そっと拾い上げた仔猫は文字通り手のひらサイズ。私の掌の上で震えていました。『こりゃ死んじゃうかも』と思った私は携行していたリュックサックの中に仔猫を入れ、急ぎ足で亀山を下山し、タクシーをピックアップすると運転手さんに最寄のペットショップへ、と告げました。
長崎市内のペットショップの店員さんにコトの経緯を話し、仔猫を見せると『あ~瞳がまだ青いね~こりゃ生まれたばかりだ!雌だね~捨てられたのかね~・・・どうします?』との言葉。こういう場合はどうすれば良いのかを逆に私が尋ねようとしていたのですが、『それもそうか』と思い直し、その時この仔猫を飼うことを決めました。
実はまだその時点で旅の予定は数日程残していたのですが、飼うと決めた瞬間なんだか矢も盾も堪らなくなり何故か旅を中断して東京に帰ることを決意。その場で手頃な籠を購入して仔猫を入れ、長崎空港に向かいました。
帰りの機内で名を『お竜(りょう)』と決めました。亀山社中跡を訪ねた帰りに拾ったので、かつて坂本竜馬が愛した妻の名を頂いたのです。坂本が暗殺された後のお竜は流転を繰り返し寂しい晩年を過ごしたそうです。『もしかしたら・・・』なんて思ったのもその名にした理由の一つでもあります。
私は特に愛猫家というわけでもないので、彼女とは付かず離れずの適度な距離感です。向こうもこちらも気が向いたときに遊んでやるくらいです笑。のんびり暢気に過ごして長生きしてくれればそれで良いと思っています。