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ひろっぺのお針箱

下手だけど手芸が好きです♪

古典講座(方丈記)飢渇

2015-08-08 00:32:06 | 文学

今年度3回目の古典講座『方丈記』である。
今日は「飢渇(けかつ)」の段。
清盛の気まぐれな遷都により、国や民衆が疲弊していくさまが描かれている。

『飢饉が続き、飢えや疫病での行き倒れ、乞食、盗みも横行し、鴨の河原は死体で通れないほどだった。
 丁度この悪世に生まれ合わせ、心辛い目に遭いました』

作者(鴨長明)の人生観が仏教的無常観に覆われていくのは、この惨状を目の当たりにしてきたからだ。
人間は環境や経験によって作られていくものだから、と先生はおっしゃいます。

又、こういう混乱の時代にはお金より食べ物が重宝になるということ。
戦後、先生の母親が、嫁入り時に持ってきた着物を少しの塩と交換してきた話などしてくださいました。


こうやって教室で勉強するのは学生時代とは違って楽しいですね。
   なんたって、試験がありませんから(笑)

 アシダンセラ  ネムノキ


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古典文学講座『方丈記』ゆく河の‥

2015-06-05 23:16:03 | 文学

市の生涯学習の一環に、今年で14年目となる『古典文学講座』がある。
私は平成16年から参加し、源氏物語、伊勢物語、枕草子、平家物語、奥の細道、大鏡を受講してきた。
ここ3年は定員オーバーで入れず遠ざかっていたが、今年は抽選となり、運よく入学できた。

今日は第一回目、今年度は方丈記(鴨長明)である。
『ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にはあらず。』
方丈記の根底に流れる世界観は、仏教的無常観であり、作者が無常観を抱かざるを得なかったのは何か?を読み取るように、との講師のお言葉です。

「それは、貴族社会から武家社会に移行していく乱世にあった。平家物語しかり。文学というものは忽然と現れるのではない。必ずそれを生み出す時代背景がある。」
「人は前世から来世へ向かって時間の旅をしている。現世は通過点、仮の世でしかない、の思想が無常観。」
と、丁寧に講義して下さった。

講師は元高校の教師である。
「教師時代に生徒にこんな授業ができたらよかったけど、こんなことしていたら受験に間に合わんし、どうもつまらん授業をしてきたな、と思う。」
と、笑っておっしゃいます。

そうですね。私たちも古典は文法ばかり勉強していた気がします。
今になってやっと、深い意味が解ってくるんですね。
そして、昔も今も真理というものは変わらないのだと驚いたりなんかします。

次回は7月。月に一度の講座が楽しみでなりません。
                          

 


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