皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

神社建築について①社殿の形式

2022-04-04 17:49:06 | 神社と歴史

神社の社殿について様々な形式があり、細かい分類により違いがありますが、本殿については大きく二つの様式があります
(神社検定『神社のいろは』より引用)
①神明造

伊勢神宮に代表される形式で古代の原始的な高床式の穀倉の形から派生しています。
②大社造り

出雲大社に代表される形式で古代の住居から派生した形です
大きな違いは屋根の向きに対してどちらから入るかということです。

どちらの形式も屋根は本を開いて伏せた形であってこうした形状を『切妻造』と呼びます
屋根の最頂部を『棟』、三角に合わさったところを『妻』、屋根そのものは『平』(ひら)と呼びます

①神明づくりはこの屋根が面に見える方向が入口(正面)になりますので『平入り』という構造です
②大社造りは屋根が三角に見える方向が入り口(正面)になりますので『妻入り』という構造です

①の神明造から派生したのが『流造』です
京都の上加茂、下鴨神社に代表される形式で全国の神社形式として最も多くみられる形です。
正面を構成する平(屋根)幅を柱と柱の間の数で規模を表し、正面が三間ならば三間社流造と呼びます。
神明造にみられる屋根の上の千木や鰹木が見られず、質素な作りが特徴です。
①神明造からの派生した主な作りは・・・流造・八幡造
②大社造から派生した主な作りは・・・住吉造・春日造
 春日造は近畿圏に多く見られる形式です。

当社(久伊豆大雷神社)は拝殿と本殿がともに切妻造平入の建物二棟並んだ形式で所謂八幡造に相当します。
よって八幡神に多く用いられる巴紋も多くみられます。但しこれは母屋としてのつくりであり、母屋内の本殿(一間二社造)は流造であり、且つ神明造にみられる屋根(棟)上の千木と鰹木も見られます。非常に興味深い造りとなっています。

(千木と鰹木に続きます)





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