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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

川と桜と人・・現代人も縄文人も (3/10 感情と付き合う)

2022-04-03 | 第四章「愛とゆるし」

3月の終わりごろから4月の今に至るまで、多摩周辺の川辺をよく歩いた。写真の乞田川(多摩川水系)や近くの大栗川(多摩川水系)をはじめ、その上流の太田川や分水嶺を超えた町田市や相模原方面の境川。多摩市方面に南下すれば鶴見川や恩田川。いずれも神奈川県への川である。

多摩川を越えて東の武蔵野台地の府中で花見をしたり、国立市の矢川、谷保天満宮周辺も散策した。

大栗川が上流で太田川に分かれる堀之内駅近く。

多摩境駅から境川に。近くには(右の方角)田端遺跡。

 

田端遺跡。右奥の丘陵の向こうには太田川との分水嶺がある。

田端環状積石遺跡

 

なずな遺跡のそばの恩田川

矢川に近いたちかわ郷土文化館の南養寺遺跡敷石住居跡展示

 

矢川のほとりの滝乃川学園周辺も散策した。府中の森周辺での花見も楽しんだ。昨日は高幡不動から程久保川を遡る。

多摩動物公園の近くを流れる程久保川

多摩モノレール沿線の桜並木も満開。

大栗川の近くの芝原堀之内公園。TN72遺跡で有名。

府中の森

野猿街道の桜並木も美しい。

 

縄文に興味を持つようになってから、こんなふうに川を意識するようになった。川は縄文時代にあっては生活のための重要な資源であるからだ。川は生活用水でもあり舟をつかっての移動の場でもあった。

そんな縄文時代からの川も、例えば大栗川はニュータウン開発で蛇行する川から直線の整備された川に変貌した。おかげで川の氾濫は今ではないが、かつての豊かな自然の川ではないようだ。私が少年のころは広島県の田舎ではブドウ畑の納屋には氾濫時のために舟が備えてあったが、今ではどうなのだろう。現代は非常に特殊な時代なのかもしれない。

因みにニュータウン開発はすさまじく、傾斜地は住宅や公園をつくるために平坦にされ、袋小路のような不自然な道がつくられた。その開発でたくさんの遺跡が発見されては破壊された。私は最近までそういった経緯を十分知らなかったが、遺跡にたずさわった方の話や遺跡調査報告書を読むことで驚きの中で知った。

しかし、私もそうだがそこに住まいを得て、現代の幸を甘受した人を責めるわけにもいかない。10,000年以上の縄文時代も川の太さや流れは自然によって大きく変わったが、この50年にも満たない時間でさらにこれだけ変貌を遂げ利便性が高まった。しかし、その反面非常に脆いところが、多くの文明がそうだったようにあるのだろう。

さて、縄文時代というと開発とは無関係のように思う方も多いだろう。しかし、例えば田端遺跡の背後にはTN248遺跡がある。縄文時代中期から後期にわたる1000年間栄えた粘土採掘場(土器用)であり、近くには土器製造の村まである。時には4mの深さを掘り下げ採掘がおこなわれたようだ。長野県の星くそ峠の黒曜石採掘遺跡のことも思い出す。遺跡には黒曜石の採掘後に使った掘り棒などの道具がきれいに並べられて検出された。きっと縄文人が作業の後に大地に祈りをささげたのだろう。その大地に対する畏敬の念や感謝の念は現代にも残るが、その祈りの深さはどうなのだろうか。私たちは他者やモノに対する感受性を利便性と引き換えに鈍化させてしまったのではないだろうか。

美しいマリアの名を冠したウクライナのマリウポリの街がここまで破壊される世にあって、戦争の終結を祈ると同時に、私たちの基本的な感受性の回復も祈られずにおられない。

3/10 感情と付き合う

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