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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

縄文時代風に生きる(大人になって知る防衛機制 10/10)

2018-11-05 | 第四章「愛とゆるし」

 縄文時代とは何かと考えていたら、一つのことが浮かんだ。縄文時代は人々が自己肯定・他者肯定のスタンスで生きていた時代。そんな風に大雑把かもしれないが解釈しても良いのではないかと思う。

 この夏ごろから、西日本豪雨をきっかけに気象に興味を覚え、古気象学などの本を読むようになった。その中で、著しく進歩する年代測定の現状を学んできたが、これが何と日本が最先端を行っていることを知った。C14の同位体で炭素の資料から年代測定をする方法は有名であるが、その誤差を画期的に縮めるために、樹木の年輪と同じような原理であるが、年縞という概念がある。安田喜憲先生が命名されたそうだが、静かで安定している湖の底にたまる堆積物が季節と共に変化するので、湖底をボーリングすると、長期に渡る地球の年輪のような情報がとれるというものだ(花粉などの情報もとれるので各時代の環境もかなり分かる)。その年縞の世界標準が福井県水月湖になったのだ。このほかにも日本には幾つかの世界に誇る年縞観測地があるようだが、これは奇跡的に残ったとしか言い表されないそうだ。

 氷河で覆われることのない場所などの条件もあるが、決定的なのは環境破壊がされていないと言うことだ。西欧を中心とした現在の文明は、氷河期の最後の頃だろうか、狩猟中心の移住の世界から、農耕・牧畜による定住生活に急速に変わってきた。それが、縄文時代は旧石器時代の影をより残しつつ、多様性にとんだ狩猟・漁撈・採集の生活の中で定住を実現し、一万年以上環境を守ってきたのだ。恐らく、農耕・牧畜を生業としないために環境破壊が進まず、世界標準になるような長期間安定した湖が残ったと言えるのではないだろうか。もちろん弥生時代になってからは、大陸の文化の影響で、例えば藤原京建設のために一つの山がはげ山になるなど、環境破壊もあったが、縄文文化の影響も強く残している私たちは、弥生以降も環境破壊は限定的だったのだと思う。

 縄文文化は今でもその影が見えるが、多様なものを食べ多様な人達や自然と共存しする文化だったように思う。文化の基本は自己肯定・他者肯定で争いを好まず、文化を深めることができたのではあるまいか。

 さて、今まで昇華を中心にこころの仕組みを見てきたが、私たちのすべての人が自己肯定・他者肯定のスタンスに立つとは言わないものの、周りの人は何か生き甲斐を持って熱心に没頭しているように見える。

 私も縄文小説や生き甲斐の心理学に凝っているが(笑)、周りの方々も様々な分野で頑張っておられるようだ。自分の哲学を持つべきということで、自分の哲学を思索されている方。観想修道会のシスターのように祈りの生活に没頭されている方もいらっしゃる。ボランティア活動に賭けている方もいらっしゃる。・・・人それぞれ、これも生育史の中で培われた、他者には100%理解できないご自分世界の中での、生き甲斐ある人生だ。

大人になって知る防衛機制 10/10

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