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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

夜空を読む縄文人・・知覚も変わり喜怒哀楽も変わる (9/10 五感と喜怒哀楽)

2022-05-24 | 第十一章「五感で面白おかしく」

日本の環状列石/ストーンサークルの研究から、冬至や春分などにそこに集まって祭儀をしていたということが分かってきた。そのこともあるのだろう、冬至の日になると例えば田端環状積石遺跡にはたくさんの人が集まる。冬至が何日かを確かめ時計を見つつカメラを持ってなどして出かける。しかし、縄文時代の人々は、当然気の利いたカレンダーもなければ時計もなかっただろう。どうして皆で集まり祭儀ができたのだろうか?

直ぐに太陽信仰とか祖先崇拝といったふうに私も含めて分かったようなことを言う人が多いが、もっとも基本的なこと、どのように集まったかについて、彼らのカレンダーがどうだったのか、どのように意思疎通していたのか殆ど話題にもならない。しかしこうした基本的なことに思いを馳せずして、縄文人の宗教などについて語れるのだろうか。

そして、何故こうした重要なことが話題にもならないかということについて考えてみたい。

それは、私たちの一般的な五感と知覚の世界と縄文人のそれがかなり異なっていることを殆ど意識しないということではないか。

さて、現代のようにカレンダー情報を何の努力もなく入手できるのと違い、4000年前とか6000年前の縄文の祖先はどのように暦をそれなりに把握し身意思疎通していたのだろうか。当然ながら天文についての詳しい人の情報というものもある(最近は天文考古学という分野もでき縄文時代にもグレゴリオ暦くらいの精度の暦があったという説などが出てきてる)。しかし、家族や村の生活をうまく同期させるためには身近で誰もが理解できるカレンダーの知恵があったのだと思う。農耕時代になってから暦が発達したという通説があるが、高度な狩猟採集文化であった縄文時代にはなかったとするわけにはいかないだろう。数百の植物や数十を超える動物の動きを暦なしにどうして把握し、大豆その他の食物の栽培できたのだろうか。太陰太陽暦の原型のようなカレンダーがあってしかるべき。これは、太陽や月の位置情報から確実に割りだせるが、基準情報が当然必要である。それは太陽や月が登ったり下りたりするときの遠くの山なみも大事だと思うが、天空の正確な星座情報も絶対に必要ではないだろうか。

星座は冬のオリオン星座とか夏の大三角形のように季節を示す大きなカレンダーの役割もするが、同時に地球の回転を刻々と星座の動きで表して時を知らせてくれる。この星座と、太陽、月(形も大切な情報)、惑星こうした情報があれば、恐らくカレンダーの替わりになるのだと思う。特に太陽、月、惑星の通り道としての弧としての黄道と周辺の星座は大切。星占いで有名な12宮だ。

当時の人は天体の動きを生活の中で知って、暦をつかみコミュニケーションしていたのではないかと想像できる。

そうした縄文人の夜空に対する知覚と私のそれはどうも随分違っていたようだ。私は15年以上ブログを書いたりしていることもありデジタルカメラで随分写真を撮ってきた。そこで夜の星座の写真を探したが、美しい夜景などの写真があっても星座が映っている写真は皆無であった。何万枚と撮ったにもかかわらず。月や太陽の写真はあるにはあるが星座はないのである。因みに巻頭の写真は何年か前に東北の遠野に旅行したときの満月の写真。

しかし、縄文人の生活に思いを寄せ、こうして夜空に興味をもつと、確実に知覚が変わってくるようだ。東京タワーのライトアップに感嘆していたのに、最近は都心のライトアップや夜の過剰な都会の光に嫌悪感を抱いたりする(夜空の星を見る妨げ)。

ライトアップに眼が奪われるのは何故?

そして、妄想するのだが、スマホに星座表のアプリを入れて夜空をかざして星々を探す私の姿を縄文人がみたらどのように思うのだろうか。スマホの技術力に驚くより、何か奇妙な現代の文化を哀れに思うかもしれない。

経験に裏付けられた知恵の変化で視覚や聴覚などの五感からの知覚が変わり喜怒哀楽も変わる。考えてみればこうした知覚の変化は縄文だけでなく、人生の節目によく体験することでもある。

9/10 五感と喜怒哀楽

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