デンティクルスゲンシミヤマクワガタ
Noseolucanus denticulus(Boucher,1995)
*成虫の画像はありません
分布:♂19.2~27.3mm
体長:♀21.0~25.9mm
分布:ミャンマー北部・中国(雲南省)
藤田宏著「世界のクワガタムシ大図鑑・6」によると
デンティクルスゲンシミヤマは(以下ゲンシミヤマ)
Lucanus属とは異なる綴りで
ミャンマーからいくつもの新種をもたらした
野瀬幸信さんにちなみ
Noseolucanus属となっています。
また、現地での記録として
標高1500~2000mの山地沢沿いで
歩行中の個体が採集されています。
今回の記事には残念ながら成虫の画像はありませんが
この種の特徴は、なんといっても他に類のない容姿
オスの前胸背板と頭部には横筋があり
メスにはありません。
また、メスも少し発達した大あごを有します。
この面白い特徴を持ったクワガタが
近年、ミャンマーから僅かながら輸入され
幼虫なども時折販売されています。
そこでゲンシミヤマの情報を得ようと検索すると
いくつかヒットしましたが
ほぼ飼育一辺倒、学術一辺倒で
知りたかった成虫の生態観察などに関する
記事は見つかりませんでした。
せっかく飼育できるのだから
特徴的な容姿の秘密を探らねば・・・
今年1月のこと
ゲンシミヤマの2齢幼虫が4頭届きました。
幼虫は、昨年の9月に孵化したもので
それらを引き続き19度前後で管理すると
孵化から半年ほどで終齢に加齢し始めました。
2019年3月16日
終齢幼虫には狭すぎる90ccPカップから
500ccカップへと移し替えました。
↓ 2齢幼虫 2019年3月16日
新たに使用したマットは
エノキの黒く腐食したマットです。
↓ 実色は黒系で、エノキのマット
↓ 2019年3月、終齢へと加齢
ゲンシミヤマは原始的な種=ゲンシのようですが
幼虫はコルリクワガタやツヤハダクワガタなどのように
一見して感覚的に古さを感じることはありませんでした。
ただ、腹部末端あたりがやや長く見えるような気もしました。
*実見:同腹4頭
仮に、和名に惑わされない見方をしたら
高地で小型化したグループ
それほど古くはない
という思いも出てきます。
↓ 頭部(2齢)大あご先端はさほど鋭敏でない
↓ 腹部末端から2節目腹面には微毛が密生
↑ クワガタは腹部末端微毛で大あごや体を掃除する
↓ 見た目での種同定は困難
↓ 終齢でも小さい
↓ 500ccへ
↓ 他種との兼ね合いで管理温度は20度ほど
これらの幼虫が羽化するのは
いつのことかわかりませんが
無事に育ったら繁殖だけでなく
生態観察もしてみたいと思います。
参考文献;
藤田宏,2010.世界のクワガタムシ大図鑑6.むし社.
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