クワガタ~スズメバチ等の覚書

   Photo & Text by こよみ

ブルークツヤクワガタ・4-体内バクテリアは本当に必要か?

2021-09-18 20:51:48 | ブルークツヤ(Borneo)

*カテゴリーから入ると産卵〜羽化〜考察につながります(8記事)

*マットの作り方は記事「難関種マットの作り方」をご参照ください

 

難関種マットの作り方 - クワガタ~スズメバチ等の覚書き

はじめに現在、ヤエヤママルバネやオキナワマルバネ等の国産大型マルバネの飼育方法はほぼ確立されており、愛好家に広く知れ渡っています。一方で小型種であるチャイロマル...

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先々週、ブルークツヤクワガタの単独飼育を開始しました(以下ブルーク)。

前記事では初齢~終齢幼虫まで確認しましたが

今では半分以上が終齢になっており、中ケースでは少し窮屈になりました。

↓ 24頭が22頭になっていた

↓ 終齢幼虫

↓ 終齢初期

↓ 終齢初期

↓ 2齢中期

↓ 2021年7月3日 母虫死亡確認(野外個体入手から約半年生存)

 

共生酵母菌類は本当に必要か?

クワガタムシ幼虫の体内には

母虫から伝搬された酵母菌類(以下バクテリア)が住んでおり

それらバクテリアは「菌嚢」と呼ばれる器官で育成されています。

マメクワガタやオオクワガタなど多くの種の幼虫は

キノコやその他の菌類等によって朽ちた木を食べ

母虫から伝搬されたバクテリアの力を借りて消化〜栄養吸収して成長します。

↓ マダラクワガタ幼虫は赤枯れ朽ち木を好む

幼虫の排泄物には同類のバクテリアが含まれ

周辺の環境を整える役割も果たしています。

そして、これらの幼虫は自ら排出した糞を再び食べることもあります。

また、幼虫から排泄された糞はしだいにマットと融合し

その原型をとどめなくなることは珍しくありません。

ところがカブトムシやハナムグリの幼虫の糞は

ペレット状のまま一向にマットと馴染まず、分離した状態が続きます。

これと同じようにブルークやインビタビリス、マルバネ系の幼虫の糞も

マットに馴染まず分離した状態が続くため

もしかしたらマットを分解するような微生物が

好まない物質になっているのかもしれません。

↓ペレット状のままマットと分離した状態が続く(オオチャイロハナムグリ幼虫の糞)

↓ インビタビリス幼虫の部屋内壁に蓄積された黒い糞

↓ チャイロマルバネ幼虫の糞、簡単に取り出せる(黒い部分)

↓ 左:オオチャイロハナムグリの糞 右:チャイロマルバネの糞

そもそもツヤクワガタやマルバネ等の幼虫は

土化したような植物由来の腐食物を好んで食べます。

こういった腐食物はある程度水分を含んでいても少しの歳月では見た目の変化が感じられず

木としての分解の終盤にあることと、栄養値の低いことが推察できます。

また、それらの幼虫(特に若齢)に一見して木質とわかるような腐食度合いのマットを与えると

次第に衰弱し、息絶えることは珍しくありません。

現在ブルークの幼虫は順調に育っています。

ブルーク幼虫は、既にキノコやバクテリアなどによりほとんど分解を終えたようなフレークや

鉱物を含む土壌に溶解した植物由来の養分を吸収するために

オオクワガタ等とは異なる何ものかを利用しているのではないかと考えます。

↓ ブルークのマット作成(栄養のなさそうなマットに赤枯れを45%ほどMIX)

↓ 黒い部分は残留する糞

↓ ブルークの残留する糞

↓ 実際の糞は黒っぽく、マットと分離した状態が続く

↓ 内壁に分解されにくい糞を塗った部屋で暮らすブルーク終齢幼虫

↓ ブルークの初〜終齢幼虫 この系統は成長とともにお尻にかけて太くなる

クワカブ飼育では「バクテリアが大事」、誰もが知るところです。

しかしながら先述のようにハナムグリやマルバネ・小型ツヤなどを飼育していると

なにか引っかかるんです。

ブルークツヤクワガタ・「体内バクテリアは本当に必要か?」

その食性・生態・糞の状態等からして

オオクワガタなどと同類のバクテリア依存はほぼないと私は妄想しており

それとは少し違った系統の何ものかに頼っているのではないかと考えます。

私の飼育経験種で共生酵母菌類への依存度が高いと思われる系統から順に並べると

オオクワガタ系・マメクワガタ系・ルリクワガタ系等

 ⇩

ミヤマクワガタ系

 ⇩

ネブトクワガタ系

 ⇩

大型マルバネ・ツヤクワガタ系

 ⇩

小型マルバネ・小型ツヤクワガタ系

大雑把に並べるとこんな感じで

ネブトクワガタあたりから幼虫の腹部が大きい系統になります。

そして、こういった食性のクワガタムシは条件が良いと多産する傾向にあり

本来、繊細で生存率が低いことを推察させます。

↓ チャイロマルバネ終齢幼虫

 

最後に

今回はブルーク幼虫の飼育過程で大筋でまとまりかけたこれまでの妄想を文字にしました。

よって、この記事は間違いだらけのでたらめかもしれませんので

ご承知おきください・・・悪しからず。

↓ 左:オオチャイロハナムグリ幼虫糞  右:チャイロマルバネ幼虫糞

↓ 窒素固定菌の役割は大きい

↓ 800ccボトルで単独飼育の開始(管理温度は22〜25度程度)

↑ 白線より上は追加したマット

↓ 一部は元の容器で飼育 追加マットはかぶせおく程度

↓ 妄想したマットで育った終齢中期のブルーク幼虫(2021.9.7)



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