藤色アラゴナイトと同様、これも石自体はレアでないけどレアというもの。
チタン鉄鉱自体はごくごくありふれた石。いろいろな岩石に混じって出るし、浜辺の砂にもたくさん含まれている。
けれど、こんな大きくてシャープな形をした結晶は、たぶんあんまりないと思う。ネットで画像を検索しても出て来ない。mindat のフォトギャラリーにもないぜ。
18x13x11mm。エヌズミネラルさんより。
黒光りして、結晶の筋筋や鱗模様が浮かんで、美しい。
光の具合でイリデッセンスも出る。
産地は、Zagi Mountain, Hameed Abad Kafoor Dheri, Peshawar District, Khyber Pakhtunkhwa Province, Pakistan。
おお、あのザギ・マウンテン・クォーツのザギですかあ。ってどこだ?
なんか難しい場所みたい。こちら参照。
イルメナイト、チタン鉄鉱は FeTiO3。チタンも鉄も地殻中にはたくさんある。それがくっついて酸化したという組成的には単純な鉱物。あれ? 鉄とチタンって最近書いたな。ああ、アストロフィライトでした。あちらは K2NaFe7Ti2Si8O26(OH)4F とけっこう複雑。
名前は発見地ロシア、チェリャビンスク州イルメン自然保護区から。チェリャってあの隕石が落ちた地方ですな。
しかしイルメナイトがこんなに大きな結晶になるというのは、どういうことなのか。
マグマだか熱水だかの中で、融けていた鉄とチタンと酸素が結合しつつゆっくりと結晶していく。これだけ結晶が自由に大きくなるには、他のものが固体化して邪魔をしないように、一定の高い温度が長い時間保たれたままでなければならない。ということ?
鉄とかチタンとかの融点は1500度以上。その温度のあたりでじっくりと時間を掛けて結晶が育ち、ようやくこの2センチの結晶ができる。どのくらいの時間が必要? 数百年? それとも案外短い?
うむむむ。そもそも基本的なことが理解できていない。
マグマや熱水、つまり液体の中で元素は原子=イオンだったのか。それが化合物になるのはいつなのか。結合して結晶になるのはどの時点なのか。どのくらいの時間が掛かるのか。
金属の融点リストを調べてみると、鉄とチタンの融点はそれぞれ1536度・1666度。クロム・ジルコニウム・モリブデンなんかはもっと高い。そっちの方が先に結晶化するのか。それとも鉱物=化合物になると融点も違ってくるのか。鉱物の融点なんて mindat なんかでも載ってない。ましてや「鉱物の融点リスト」なんて探してもない。
それとも、人工合成みたいに、鉄とチタンと酸素だけがたっぷり入った熱水の中でできたのか。そんな熱水なんてあるのか。……
はいギブアップ。無知にしてボンクラ頭のあちきには土台理解できない話でした。(理解できていないことをごちゃごちゃ書くなよ)
でも知らないこと、わからないことをあれこれ考え想像するのは楽しいでしょ?(そーとー暇なんだね)
ともあれ、鉄、チタン、酸素、その基本素材が合体した、地球の骨格の中の骨格のような、とてもいい石です。
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