貧乏石好き

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大陸地殻をめぐって ③原始プレートテクトニクス

2023-06-02 10:03:53 | 地球のお話

地球が冷えて、初生地殻の上を海が覆うようになった。地球の表面全部が海だった。
出っ張った所はないのかい、という疑問は生じるけど、まあ大勢に影響ないのでしょう。
そして次。
④初生地殻に亀裂が生じ、「地殻の沈み込み」が起こる
これは「水」の影響だと言う。水は鉱物結晶間の結びつきを弱める働きがある。まあ要するに水がしみ込むと脆くなるわけですな。(雑w)
そして亀裂が走った。ううむ。
なぜかははっきりしていない。重さの不均一とか、下のマントルの動きとか。
どうもうまくイメージできない。大規模な崖崩れのようなものか、巨大な帯状の地盤沈下のようなものか。
下には熱々の橄欖岩マントルがある。そこへ玄武岩地殻が落ちていく? 水も一緒に?
橄欖岩に水が加わると蛇紋岩ができる。しかし蛇紋岩の大量発生などという話はどこにもない。

そして、
⑤地殻Aの下に地殻Bが斜めに沈み込んでいく:原始プレートテクトニクス開始
さあて登場です。プレートテクトニクス。ちょっと突然の登場のようにも思えるけど……

現在の地球で見られるとされるプレートテクトニクスは次のようなもの。

大陸地殻の下に海洋地殻が沈み込んでいく。その反対側では裂け目ができてマグマが上昇、新たな海洋地殻が作られる。プレートと地殻は違うけど、まあここでは気にしない。
海洋地殻はマントルの中に沈み込む一方、反対側で新たに作られ、ぐるぐるとリサイクルするけれど、大陸地殻は浮いたまんま。
このプレートテクトニクスによって、地震や火山活動の多くがうまく説明できる。実際プレートは動いているし。1960年代に生まれた新理論だけど、今はほぼ定説になっている。
で、この沈み込み帯のとこで安山岩が作られ、大陸はどんどん拡大していく。一度できちゃえば後は勢いで、つうことですな。

さて、このプレートテクトニクスが、初期地球でも発生していた。巽先生は38億年前から働いていたと考えているらしい。その証拠はグリーンランドのイスアにある特殊地塊(オフィオライト)にプレートテクトニクス特有の「付加帯」が見出されることだという。付加帯とは沈み込んでいくプレート表面部からこそぎ剥がされて溜まるゴミのようなもの。日本列島も基本的には付加帯。このあたりは難しいので省略。

亀裂で沈み込んだ地殻がどうして相手方の斜め下に入り込んでいくのか、素人にはどうも理解できない。相手方は沈み込まないんですかね。
まあ巽先生も「プレート沈み込みがなぜどこで始まるのかは今でもわかっていない」と書かれていますので、あくまで仮説。

プレートテクトニクスができてしまえば、もう後は現在と同じ伝。
海洋地殻Aの下に海洋地殻Bが沈み込んでいく。そうすると、Bに含まれていた水が作用して、Aの底部で安山岩マグマが生まれる。
もっともこのあたりもそう単純ではないらしい。巽先生の説明では、
(1)Bの水分が圧力で絞り出される
(2)BとAの間にせり出しているマントル(マントル・ウェッジ)に水分が移動する。
(3)の水分とマントルの熱がAの下にある橄欖岩を融かし、玄武岩マグマを発生させる。
(4)玄武岩マグマが上昇しAの下部を融かし、安山岩マグマが作られる。
ということらしい。さらに最後の所でも、2種類の安山岩マグマ(ソレアイト/カルクアルカリ)ができるらしいけど、それは省略。
えらくややこしい。何か単純に沈み込む地殻が水分と圧力によって融けて安山岩マグマができるみたいに思っていたけど、違うんですね。素人にはなかなか理解できない。


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