貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

大陸地殻をめぐって ⑥花崗岩や水成鉱物は徒花?

2023-06-04 11:37:33 | 地球のお話

ところで、こうした大陸生成論に、登場してこないものがあります。
そう、花崗岩。巽先生の上記二冊に、花崗岩という言葉はたぶん一回くらいしか出て来ない。
花崗岩は、大陸地殻のかなりの部分を構成しているという見解もあるらしい。そして前にも書いたように、われら石好き民が愛玩する美石の多くは花崗岩とそれに付随する熱水によって作られる(水成鉱物)。
けど、どうも花崗岩は地球本体の生成発展には、あまり関係ないみたいなんですね。どちらかというと、玄武岩・安山岩によって作られた基体の上に咲いた徒花、枝葉末節みたいな感じ。
花崗岩というのは、マントルを構成する橄欖岩から、鉄やマグネシウムなどをごっそりとそぎ落とした「シリカ主体(70%)岩石」。「上澄み」と言えば言える。重要な骨格はもっと下の方にある。
けれど、そこには水を始め、玄武岩や安山岩では排除されてしまうような元素が凝集する。そしてペグマタイトや熱水鉱脈で多様な色と姿の鉱物を作り出す。

確かに地球固体の生成変化は、核(鉄など)、マントル(橄欖岩)、地殻(玄武岩・安山岩)、そして水が担っている。花崗岩や熱水鉱物はその「進化」にはほとんど絡まない。
けれど、それとは別の「進化」があるかもしれない。基体地球の進化を利用した、何か別の進化が。われら人類もまた地球基体の進化には絡まない。けれど、地球生命の進化の先端としてここに存在している。花崗岩や水成鉱物も、そういう別ルートの創造進化の担い手、それも先端かもしれない。

遠い未来、地上の水はすべてマントルに取り込まれ、地上生命は滅びるかもしれないという仮説もあるようです(巽先生はその説の主唱者らしい)。それもまた地球固体の生成進化なのかもしれません。そこでは別ルートの進化、基体を利用して展開した進化は、消え去るのでしょう。それはただ消え去るのか、どこか他の場所へ移るのか、それは不明。

われらはこの物質世界に生まれてきているのだから、この物質世界の真実が知りたい。はるか果ての宇宙の秘密もいいですけど、われらが立っているこの「地べた」がどうやって作られてきたのか、それはぜひとも知りたい秘密ではないでしょうか。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿