貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

ダルネゴルスク産カリ長石&水晶

2022-08-02 21:33:53 | 単品

ううむ。また長石。ややこしいやつ。

以下前置き。うざければ飛ばしてください。(自分でも覚えてないんでしょw)
長石には
 ①カリウム長石
 ②ナトリウム長石
 ③カルシウム長石
があって、この①と②、②と③がまじゃり合って複雑になる。既述
①と③はまじゃらないんですな。なぜなのかは知らない。まあこの上まじゃられては話がもっとややこしくなってかなわん。「このくらいにしといてやろう」と長石は言っています。(いません)
オリゴクレース、ペリステライト、アンデシン、ラブラドライトは②と③の混合。「斜長石」、プラジオクレース。(お、覚えたねw) ムーンストーンやサンストーンはここですな。
①および①と②の混合は、「カリ長石」、Kフェルスパーと呼ばれる。オーソクレース、マイクロクリン、サニディン。商品名としてアマゾナイト、アデュラリア、氷長石などと呼ばれるものもここに入る。
しかしKフェルスパーにしろプラジオクレースにしろ、なんか味気ない名前ですねえ。もちっと気の利いたものにしたらいかがかと。(余計なお世話だ)

で、斜長石のムーンストーン一派については、えらく魅せられていろいろ書いてきた。
ところが、カリ長石のほうは、なかなかいい石が見つからない。たまにあっても見栄えのわりにえらく高かったりする。長石は崩壊しやすいという話も聞いたことがあるので、なかなか完璧な形では出ないのだろうか。
例外だったのは過日ハッピーギフトさんの展示会で見たサニディンの透明結晶。玻璃長石というだけあって、ちょっとゴールデンスキャポライトに似た、金色の美しい石だったけど、諭吉を超えるので断念。

     *     *     *

で、ようやく本題。先日、パーフェクトストーンさんで、ダルネゴルスク産の標本がいっぱい出ていて、その中に「カリ長石付き水晶」というのがあった。するっと見過ごしていたけど、これ長石じゃん、と気づいた。なかなか美しそうで、お値段もえらく安かったのでぽちっ。
これが実にいいものでして。

何よりトップの凛とした長石結晶が美しい。横から「ベータ型」っぽく突き出た水晶もまた美しい。



長石付き水晶なのか水晶付き長石なのか、と思うくらい、両者がくんずほぐれつ、いや、ほぐれてはいないな、せめぎ合っている。さすが奇石の宝庫ダルネゴルスクの産。こういうのがどうやってできるのか、ほんとに不思議。

そして細かく見ていくと、またいろいろな景色が見える。

長石の表面にはごくかすかだけれども「ラブラドレッセンス」に近い、青を中心とした燦光が揺らめく。ただし写真にはほとんど写らない。カリ長石にもこういう芸はあるのですね。たぶん成分比の違う石の薄い層が形成されているのでしょう。
長石は白く濁っているけれど、後ろから強い光で照らすとごくごく薄い黄緑を漂わせて、とても味わいがある。

小さな結晶になった水晶も、淡いパープルを見せてきらきらと輝く。

見飽きない。じっと見入ってしまう。

そしてふと思いついてUVライドで照らしてみたら、驚愕。
ピンクあるいはアプリコット色にド派手に輝く。

いやあ、こんな芸当まで見せてくれるなんて、感激。


何万円もする美麗結晶ももちろん美しいですけど、こういった安価で地味な石も、時を忘れて見入ってしまう美しさを持っている。それが石の美鑑賞のいいところではないでしょうか。


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