そう言えばもう一つ、砒酸塩鉱物を持っていた。
国産アーセニオシデライト。国産鉱物セットの中に入っていたもの。
ちょっとレアかも。
ミメタイトを上げた後、棚の整理をしていたら奥の方から出てきて、「あれ、これも砒酸塩じゃない」と気づいた。「わしもいるでお」と言っているようで驚き。地味な石なので忘れていた。すまん。
「愛媛県四国中央市寒川町豊受林道露頭」とある。四国中央市って時々聞くけど四国の中央って山しかなくね?と思ったら旧・川之江市なんですね。昔は市名を聞くとおおむねどのあたりかわかったけど最近はまったくわからないことが多い。中央構造線のすぐ北に当たり、西には住友財閥を育てた別子銅山が、東はサヌカイトの本場・瀬戸内火山群跡がある。鉱物的に面白い地域なのですね。
Arseniosiderite 砒灰鉄鉱。Ca2Fe3(AsO4)3O2・3H2O
カルシウムと鉄の砒酸塩・酸化・含水鉱物というややこしい石。砒酸というのはたまに珪酸とくっついたりもする正体不明の存在。
主に赤~黄~褐色で、稀に放射針状結晶を見せる。
砒素が付かないシデライトというのがあるけどだいぶ違う。
こやつは結晶はほとんど見えない。ちょっと錆みたい。けど「ばらちらし」でなかなかいい味わい。
似たような名前のやつにアーセノパイライト Arsenopyrite 硫砒鉄鉱 FeAsS がある。毒砂と呼ばれ、亜砒酸の原料となる重要鉱物。同じ鉄と砒素の鉱物でもこっちは例の硫化鉱物ですな。アーセノと言ったりアーセニオと言ったりややこしい。
珍しい石だし、珍しい砒酸塩鉱物だし。ケースに入れて大切にしまい直しましょう。
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