決闘！

♪パラパ～ン　パ・パ・パ・パ・パ・パラパ～ン♪（By必殺仕事人）

　いきなり必殺のファンファーレで始まりましたが（笑）、以下の文章は講談調で読んでください。

　さて、時は六月梅雨の頃。未明の大雨止みまして、梅雨の合間の空の下、やって来たのは羽曳野市、市民体育館でぇございます。
　南河内にありまする、二十余りの保育園。年長組の子供をば、一気に集めて寄せまして、開きまするはな・なんと！　大運動会でございいます。さて、お立会い。一番の出し物はと言いますと、なんと言っても園対抗男女混合リレー！　べべンベンベン……。

　疲れたから普通に書きます（笑）。

　この男女混合リレー、子供も先生も親も、物凄く燃えるのです。年長組だけの参加なので一人っ子のお宅はあまりピンとこないようなのですが、お兄ちゃんやお姉ちゃんがいる家ではそれはもう、異様なテンションで当日を迎えます。
　だいたい毎年優勝候補として名前が挙がる保育園があります。幼稚園のように幼児教育に力をいれるS保育園、毎年好成績を残すT保育園、そして我が息子・チビ太郎の通うH保育園。
　そもそもH保育園、ここは親の私が言うのもなんですが子供達がとてもノビノビと、いわば放し飼いで育っておりまして（笑）、非常に逞しい子供達が多いのです。ですから特に特訓をしなくてもこの大運動会では毎年上位に食い込んでトロフィーを勝ち取って来ていました。
　それがここ三年ばかり、ライバルであるS保育園やT保育園にしてやられ通し。去年なんぞは駿足ランナーがいたにも関わらず、バトンタッチで失敗してコースを逆走したらしくまさかの予選落ち。今年こそは雪辱をはらすべし！　と子供も親も燃えていたのでした。
　で、チビ太郎。これが誰に似たのか、足が速い。リレー選手に選ばれました。チビ子や私から「S保育園は強いで！　あそこを倒さなアカン！」とさんざん刷り込まれ、鼻息荒く当日を迎えたのであります。

　リレーに選ばれた子供の親は皆、気合入りまくり。平日にも関わらず、仕事を休んで観戦ですよ（笑）。
　さて、予選。
　女の子のランナーの一人がプレッシャーに負けてベソをかきながら走り、駿足ランナーの一人が途中でバトンを落とし、「嗚呼、今年もこれまでか……」と諦めかけたのですが、ミスを物ともしない素晴らしい走りでぐっと差を縮めてくれました。そしてチビ太郎！　疾風怒涛の勢いでトラックを駆け抜け最終ランナーへ繋げました。そして、アンカー！　これがまた、ディープかウオッカかというような見事な加速！　結果二位でゴール！　見事に準決勝にコマを進めました。

　準決勝ではこれまたスタートで出遅れたのですが、各ランナーが炎の走りを見せ、堂々一位ゴール！　それも同じ組で走った最強のライバルＳ保育園を見事打ち破ったのであります。やった～！　

　そして決勝！　もう一つのライバルであるＴ保育園も勝ち進んでいました。
　緊張のスタート！　おおっと、またしても出遅れたっっっ！！　いきなり三位か？！　しかしラッキーな事に最初のバトンタッチでトップの子がもたついてくれたので、そこで差が少し縮まりました。二番手の女の子は予選で泣きべそをかいた女の子の代走！　スピードは劣りますが粘り強さが売りです。必死で食らいつき、順位をキープ。三番手は駿足ランナー。期待通りの走りで二位との差を埋めていきます。四番手も女の子ながら素晴らしく美しいフォームで抜かされることなく走りきり、そしてチビ太郎！　ハツカネズミが回し車の中を全力疾走するようなとんでもない足の回転数（笑）。ここで一位から三位がほとんど団子状態に！　そしてアンカー！　彼はまたしても渾身の走りを見せてくれました。そしてラッキーな事に、ゴールまであと三メートルくらいのところで競り合っていた二位の靴がすっとんでランナーの足が止まったのです！　一瞬の隙にうちのアンカーがゴール！　見事、準優勝～！

　ちなみに優勝はノーマークの保育園でした（爆）。ま、そんなモンですな。なんでもいいや、Ｓ保育園とＴ保育園を下したというところに大きな意義があるのです！！　ついに数年来の雪辱を晴らしたぞおおおお！！！！

　チビ太郎よ、よくやった！！





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