仕事が始まりました。お昼から訪問リハビリ三件です。本日の利用者さんの平均年齢は約九十二歳といったところでしょうか。三人ともそこそこ長いお付き合いになってきています。六年、三年、三年くらいかなぁ……。大きな機能低下を招くことなく今年もそれぞれお正月を迎えることが出来ました。
しかしながら、どの方も大変な高齢者。来年の正月を一緒に過ごせるかどうかはわからない……。そういう思いを毎年切実に感じます。
世間はきっとリハビリテーションというと「機能回復」というイメージが強いのでしょう。寝たきりだったのが座ってご飯を食べるようになるとか、動かない足が動くようになるとか、車椅子から杖で歩くようになるとか。まま、そういうケースも勿論あるのです、あるのですが。
正直、今私が訪問リハビリで関わっている利用者さん達については「維持」が大きな目標です。確かにリハビリの依頼が来た直後の事を考えると、若干の改善は当然あるのですが、大きな仕事はと言えば「リハビリをして改善した部分を含めて、全体的な機能を少しでも長い間維持する」事です。なので、状態が変わらないというのが実はとても重要だったりします。
病院から地域に移った直後は「……いいのか? これで」と思いましたが、十年近く高齢者オンリーの仕事をしていると「これでいいんだろう、多分」と納得するようになってきました。
一人の利用者さんの残された時間をじっくり見つめて、少しでも有意義に過ごしてもらえるようにサポートする。それは「身体運動機能の回復」だけを見ていても出来ないものです。
身体機能が下がらないように直接触ることも勿論重要ですが、じっくり時間をかけてコミュニケーションを取り、スキンシップをして、その人の心の変化や身体の変調を見逃さない。何を欲しいと思っているのかを読み取る。本人で解決できないことなら、ヘルパーや家族といった介護者にそれを伝える。必要であれば提案をする。そういう間接的な関わりが必要になってきます。
療法士という立場ではありながら、時には娘のような立場(あくまで「ような」ですけどね)にもなるし、介護者の立場にもなります。公私混同のギリギリのラインでの駆け引きは下手をすれば信頼関係を潰す危険もあるのですが、それでもあえて厳しいきわどい線引をしなければならない時もあります。あまりに気の毒で、つい私情に振り回されることもありますが、そこをぐっと我慢して「療法士」の立場に踏みとどまるのは案外しんどいものです。
しかしながら、それも含めての関わりこそが私の今の仕事……。
今日は良い天気だったのでお一人の利用者さんを外に誘いました。ホームの近くの神社へ車椅子を押して初詣です。
穏やかな新春の日差しを浴びながら、垣根の山茶花や家々の注連飾りを眺め、ゆっくりと歩いているとぽつりとおっしゃいました。
「気持ちいいわ。中にいると正月が来たってわからんもんねぇ……」
「……来年も初詣一緒に行けたらいいねえ」
そんな会話を交わしながら、歩く道のりは温かくもあり、少々寂しくもあり……。
来年も皆さんと正月を迎えるために、今年もお仕事頑張ります!
おまけ:
ちょいと句をひねってみました(笑)。
「車椅子 押して眺むる お正月」
「来春の 道のり願う 初詣」
姑さま! 出来はいかがなものでしょうか。←家族内連絡(笑)
ぽちっと一押しお願いします
しかしながら、どの方も大変な高齢者。来年の正月を一緒に過ごせるかどうかはわからない……。そういう思いを毎年切実に感じます。
世間はきっとリハビリテーションというと「機能回復」というイメージが強いのでしょう。寝たきりだったのが座ってご飯を食べるようになるとか、動かない足が動くようになるとか、車椅子から杖で歩くようになるとか。まま、そういうケースも勿論あるのです、あるのですが。
正直、今私が訪問リハビリで関わっている利用者さん達については「維持」が大きな目標です。確かにリハビリの依頼が来た直後の事を考えると、若干の改善は当然あるのですが、大きな仕事はと言えば「リハビリをして改善した部分を含めて、全体的な機能を少しでも長い間維持する」事です。なので、状態が変わらないというのが実はとても重要だったりします。
病院から地域に移った直後は「……いいのか? これで」と思いましたが、十年近く高齢者オンリーの仕事をしていると「これでいいんだろう、多分」と納得するようになってきました。
一人の利用者さんの残された時間をじっくり見つめて、少しでも有意義に過ごしてもらえるようにサポートする。それは「身体運動機能の回復」だけを見ていても出来ないものです。
身体機能が下がらないように直接触ることも勿論重要ですが、じっくり時間をかけてコミュニケーションを取り、スキンシップをして、その人の心の変化や身体の変調を見逃さない。何を欲しいと思っているのかを読み取る。本人で解決できないことなら、ヘルパーや家族といった介護者にそれを伝える。必要であれば提案をする。そういう間接的な関わりが必要になってきます。
療法士という立場ではありながら、時には娘のような立場(あくまで「ような」ですけどね)にもなるし、介護者の立場にもなります。公私混同のギリギリのラインでの駆け引きは下手をすれば信頼関係を潰す危険もあるのですが、それでもあえて厳しいきわどい線引をしなければならない時もあります。あまりに気の毒で、つい私情に振り回されることもありますが、そこをぐっと我慢して「療法士」の立場に踏みとどまるのは案外しんどいものです。
しかしながら、それも含めての関わりこそが私の今の仕事……。
今日は良い天気だったのでお一人の利用者さんを外に誘いました。ホームの近くの神社へ車椅子を押して初詣です。
穏やかな新春の日差しを浴びながら、垣根の山茶花や家々の注連飾りを眺め、ゆっくりと歩いているとぽつりとおっしゃいました。
「気持ちいいわ。中にいると正月が来たってわからんもんねぇ……」
「……来年も初詣一緒に行けたらいいねえ」
そんな会話を交わしながら、歩く道のりは温かくもあり、少々寂しくもあり……。
来年も皆さんと正月を迎えるために、今年もお仕事頑張ります!
おまけ:
ちょいと句をひねってみました(笑)。
「車椅子 押して眺むる お正月」
「来春の 道のり願う 初詣」
姑さま! 出来はいかがなものでしょうか。←家族内連絡(笑)
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おめでとうございます。
こちらこそ今年も宜しくお願いします
今年もmiyuさんに本を紹介してもらえたら
いいのにな~
昨年はちえぞーさんとネットで
お話できるようになった嬉しい年でした。
今年もお互いマイペースでがんばろっ
どうぞよろしくお願いします
いらっしゃいませ~。
応援ポチポチ、ありがとうございます。
またお越しくださいませ
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