さようなら時計

火曜日中止になったピアノのレッスンが、4時半から。

それまでの間、寝室の片付けをした。
小さな寝室は、ベッドと小さなチェストと低い壁面収納、ライティングデスク。
そこに、たくさんの片付けられない思い出の品々。

クローゼットや押し入れにしまってしまうと、そのままになると思い、寝室にまとめた。
もう2年近くたつのに、全然整理できない。

日曜日に火災報知器の点検に来る。
少しは、きれいにしようと手を付け始めた。

ずっと動いていた時計が止まっていることに気が付いた。

結婚した時に持ってきた置時計。
新居に飾り、海外転勤になったときも持っていき、リビングの中央に置いた。
その後、引っ越してもいつも家の中心に置いていた。

すっかり古くなって、剥げているところもある。

1年前、新しいものに取り換えた。

でも、捨てられなかった。
無理して捨てる必要はないかもしれない。

でも、、、
この時計をみると辛くなる。
そんな思い出のものはたくさんある。
夫の洋服も、ゴルフクラブも、本も、財布も、定期入れも、手帳も、、、、


時計は、古くなって汚くなったので、夫がいてもきっと取り換えたと思う。

だから、ありがとう、さようならすることにした。





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