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「うつ」は“脳の炎症”が原因だった!? 最新科学が明かした驚きの事実

2022年11月26日 07時53分25秒 | 健康

「運動」の驚くべき”癒し効果”にスポットを当てた研究が、今、世界的に注目を集めている。運動すると……「ストレスから守られる」「抗うつ薬に匹敵する”うつ改善効果”が得られる」「レジリエンス因子が増え、不安に強くなる」「遺伝と同レベルの認知症リスクを解消できる」「子どもの勉強への集中力が高まる、成績が上がる」など、その驚きの研究結果をまとめたのが”運動×神経科学”の第一人者であるジェニファー・ハイズ博士だ。彼女の研究は、ニューヨーク・タイムズ、BBC、CNN、ハフポストなど、多数の国際的メディアに取り上げられて話題を呼んでいる。その内容を一般向けにわかりやすくまとめた初の著書の邦訳版『うつは運動で消える 神経科学が解き明かした「心の不調」のリセット法』が発売された。今回は、本書の内容の一部を特別に公開する。

 

多くの人に「抗うつ薬」が効かない理由

 抗うつ薬は、セロトニン不足にしか効果がありません。時代遅れの医療では、セロトニン不足がすべての気分障害の原因だと考えています。これは真実ではないのに、現時点では、それを証明するための追加検査は行われません。

 多くの人に抗うつ薬が効かないのは、気分の落ち込みの原因がセロトニン不足ではないからです。

 セロトニン不足でなければ、何が原因なのでしょう? 意外なことに、炎症である可能性が高いのです。

 

うつの原因は”脳の炎症”だった

 炎症とは感染から体を守るための現象です。体のあらゆる部位が炎症を起こす可能性があり、でさえもそうなのです。

 そして、脳が炎症を起こすと疾病行動が起こり、私たちは疲労感、反社会性、憂うつを感じるのです。ずっと家にいる。ベッドで一人で寝ている。Netflixを夢中で見ている。身に覚えはありませんか? 

 感染症状が治まり、回復すれば、また元通りの幸せな社会生活に戻ります。しかし、その疾病行動が感染症状が治まった後もずっと続くケースもあります。

 するとどうなるでしょう。びくびくして疲弊し、反社会的で、落ち込んだ状態が数週間、あるいは数ヶ月も続くのです。

(本原稿は、ジェニファー・ハイズ著、鹿田昌美訳『うつは運動で消える ~神経科学が解き明かした「心の不調」のリセット法』の内容を抜粋・編集したものです)

ジェニファー・ハイズ

世界トップのキネシオロジー(運動科学)学科を擁するカナダ・マクマスター大学のニューロフィットラボのディレクターであり、運動と神経科学研究の第一人者。主に、身体運動がメンタルヘルスや認知能力にもたらす影響について研究し、受賞多数。その研究は、ニューヨーク・タイムズでの特集をはじめ、CNN、NBC、BBC、ハフポスト、CBSなど、国際的メディアの注目を集めている。初の著書の邦訳版『うつは運動で消える』が2022年9月7日に発売。

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