ためぞうの冒険 エピソードII‘ 第十二話。
「三年J組。」
ためぞうは、三年J組の教室にいる。
そこで出会ったのは、
春の陽射しのような素敵な笑顔を持つ、
銀色の髪の女の子。
ためぞう「さ、サフィリアさん?」
サフィリアは、うんっと微笑んで頷く。
陽光が、天井をオレンジに照らす、
そんな早朝の室内。
この時間、生徒がいるとすれば、
部活の朝錬が、入学式の準備に追われる者くらい。
セントクラウス学園の、
三年生の校舎は、
渡り廊下で繋がれた新設の建物の方になる。
サフィリア「その制服は・・・。
あなたが、新入生でしたか。」
ためぞう「そういう風になっています。
いろんな見えない糸の操り人形ですが、
オレは、信じてるんだ。
初めてのラッキーを!!」
サフィリア「私も、ためぞうさんと同じ学校なら、
嬉しいですよ。
さっそく、バトルですか?」
おもむろに取り出されたる、
歴戦のジョイスティック・・・。
ためぞう「フッ、戦いに理由は要らないですが、
ここは念願の学園生活の中。
勝負は、戦場(ゲーセン。)で着けませんか?」
ためぞうは、よけた!
夢中は我を忘れ、
激しくソウル(魂)を燃焼させるからだ。
ためぞう「(アウェーでは、オレは勝てん。)」
次の瞬間、
ためぞうは、父兄同伴の新入生が列を成した、
入学式会場の体育間にいた。
ためぞう「と、飛んだっ!
選択肢をあやまったか、オレ!?」
教頭先生「新入生代表、
『三年J組 ためぞー君。』」
コホン。
さあ、新入生の挨拶を。
ためぞう「おぉ・・・。
意味わからんが、
やり遂げねばオレに未来はない、予感。」
ためぞうは、
全生徒に向かって挨拶の姿勢。
原稿用紙には一言、
「がんばれ。」と書いてある。
ためぞう「が、がんばれーーッ!!」
熱いシャウトが、駆け抜ける!!
みなが、一様に感動している。
教頭は、涙とハナ水を、
ためぞうのおろしたての制服で拭く始末だ。
アンコールの声が沸きあがる。
ためぞう「え、えぇーッ!?」
逃げてはダメよ、ためぞーさん。
勇気を使う場所を誤らないで。
ためぞう「ウオオォォォ!!」
ためぞうの、フルボルテージ!!
鋼の闘気を纏ったためぞうは、
もう止めることは出来ない。
サフィリア「ぼ、暴走!?」
アリス会長「まあ、見てみましょう。
サフィリアさん。」
ためぞう「な、長かったぁぁぁあ!!!」
辺りが静寂に包まれる。
子供さん「ばば様、
風が止まったよ。」
はば様「定めじゃ・・・。
その者、紺のブレザーを纏いて、
いたんだ金髪で、
金色の教壇に降り立つべし。
覇王の伝承は、真であったか・・・。」
言いたいことをいって満足した、
おばばと孫は、会場を後にした。
だが、新入生に、
ためぞうの熱きパッションは、響く。
例えるなら、
それは水面に一滴の雫を落としたような、
サラウンドの響き。
新入生A「涙が出たよ!!
競争倍率 一億倍のテスト、
科目平均点 300点の難関を超えた。
まさに、奇跡!!」
次々と新入生たちの賛辞が続き、
大安売りの日のように、
『奇跡』という言葉が乱発される。
サフィリア「よかったね、ためぞうさんっ。」
サフィリアも、半泣きだ。
アリス会長「フッ、やるじゃない。」
そう残して、アリス会長の方は立ち去った。
天の声の裏方「出来過ぎかしら、ね。
むやみに世界に干渉するのは、
やめておくとしましょう。」
裏方さんは、
器用に造花のチューリップを作りながら、
丁寧にノリ付けをした。
裏方さん「・・・。
内職の時間が削られるのは、
とても困ったことですわね。
父の日の贈り物までに間に合う程度に、
ためぞーさんには、
がんばってもらいましょう。」
裏方さんは、本当はいい娘なのです。
裏方さん「乗り越えてくださいね、
ためぞうさんっ。
罠、いっぱい仕掛けました。(ニコッ。)
ウフフッ・・・。」
次回 ためぞうの冒険 学園生活編(第二期。)
「ミッション イン ザ トラップメント。」
感動を、ありがとう。
ためぞう「やめろっ!
難易度あげるんじゃねーーー!!」
「三年J組。」
ためぞうは、三年J組の教室にいる。
そこで出会ったのは、
春の陽射しのような素敵な笑顔を持つ、
銀色の髪の女の子。
ためぞう「さ、サフィリアさん?」
サフィリアは、うんっと微笑んで頷く。
陽光が、天井をオレンジに照らす、
そんな早朝の室内。
この時間、生徒がいるとすれば、
部活の朝錬が、入学式の準備に追われる者くらい。
セントクラウス学園の、
三年生の校舎は、
渡り廊下で繋がれた新設の建物の方になる。
サフィリア「その制服は・・・。
あなたが、新入生でしたか。」
ためぞう「そういう風になっています。
いろんな見えない糸の操り人形ですが、
オレは、信じてるんだ。
初めてのラッキーを!!」
サフィリア「私も、ためぞうさんと同じ学校なら、
嬉しいですよ。
さっそく、バトルですか?」
おもむろに取り出されたる、
歴戦のジョイスティック・・・。
ためぞう「フッ、戦いに理由は要らないですが、
ここは念願の学園生活の中。
勝負は、戦場(ゲーセン。)で着けませんか?」
ためぞうは、よけた!
夢中は我を忘れ、
激しくソウル(魂)を燃焼させるからだ。
ためぞう「(アウェーでは、オレは勝てん。)」
次の瞬間、
ためぞうは、父兄同伴の新入生が列を成した、
入学式会場の体育間にいた。
ためぞう「と、飛んだっ!
選択肢をあやまったか、オレ!?」
教頭先生「新入生代表、
『三年J組 ためぞー君。』」
コホン。
さあ、新入生の挨拶を。
ためぞう「おぉ・・・。
意味わからんが、
やり遂げねばオレに未来はない、予感。」
ためぞうは、
全生徒に向かって挨拶の姿勢。
原稿用紙には一言、
「がんばれ。」と書いてある。
ためぞう「が、がんばれーーッ!!」
熱いシャウトが、駆け抜ける!!
みなが、一様に感動している。
教頭は、涙とハナ水を、
ためぞうのおろしたての制服で拭く始末だ。
アンコールの声が沸きあがる。
ためぞう「え、えぇーッ!?」
逃げてはダメよ、ためぞーさん。
勇気を使う場所を誤らないで。
ためぞう「ウオオォォォ!!」
ためぞうの、フルボルテージ!!
鋼の闘気を纏ったためぞうは、
もう止めることは出来ない。
サフィリア「ぼ、暴走!?」
アリス会長「まあ、見てみましょう。
サフィリアさん。」
ためぞう「な、長かったぁぁぁあ!!!」
辺りが静寂に包まれる。
子供さん「ばば様、
風が止まったよ。」
はば様「定めじゃ・・・。
その者、紺のブレザーを纏いて、
いたんだ金髪で、
金色の教壇に降り立つべし。
覇王の伝承は、真であったか・・・。」
言いたいことをいって満足した、
おばばと孫は、会場を後にした。
だが、新入生に、
ためぞうの熱きパッションは、響く。
例えるなら、
それは水面に一滴の雫を落としたような、
サラウンドの響き。
新入生A「涙が出たよ!!
競争倍率 一億倍のテスト、
科目平均点 300点の難関を超えた。
まさに、奇跡!!」
次々と新入生たちの賛辞が続き、
大安売りの日のように、
『奇跡』という言葉が乱発される。
サフィリア「よかったね、ためぞうさんっ。」
サフィリアも、半泣きだ。
アリス会長「フッ、やるじゃない。」
そう残して、アリス会長の方は立ち去った。
天の声の裏方「出来過ぎかしら、ね。
むやみに世界に干渉するのは、
やめておくとしましょう。」
裏方さんは、
器用に造花のチューリップを作りながら、
丁寧にノリ付けをした。
裏方さん「・・・。
内職の時間が削られるのは、
とても困ったことですわね。
父の日の贈り物までに間に合う程度に、
ためぞーさんには、
がんばってもらいましょう。」
裏方さんは、本当はいい娘なのです。
裏方さん「乗り越えてくださいね、
ためぞうさんっ。
罠、いっぱい仕掛けました。(ニコッ。)
ウフフッ・・・。」
次回 ためぞうの冒険 学園生活編(第二期。)
「ミッション イン ザ トラップメント。」
感動を、ありがとう。
ためぞう「やめろっ!
難易度あげるんじゃねーーー!!」