歴史に学ぶ人事・経営論

横浜の社会保険労務士・行政書士関口英樹です。

人事マネジメントの件

2021-11-24 09:41:36 | 歴史に学ぶ人事経営論
織田信長の領内である名古屋の蛇池公園。
ある時、その池で大蛇が出たとの目撃情報が相次いだ。
噂を聞いた信長は、真相を確かめるべく、池を訪れた。
そして、着物を脱ぐと、真冬の池に飛び込んでしまった。
家臣が止めたにも関わらず、信長は、一切耳を貸さなかったのだ。
しかし、いくら池の底を探しても、大蛇はどこにもいない。
「うー。寒い。大蛇など、どこにもいなかったではないか。」

何事も、自身で確かめ、実行しなければ気が済まない。
戦となると、自ら戦地に赴き、陣頭指揮を執ることが多かった。
しかし安土城の築城を始めたころ、直接、陣頭指揮を執ることは、ほとんどなくなった。
織田家の勢力は、関東や中国地方まで広がり、各地で同時進行により戦が行われた。
そのため、すべての戦の指揮を執れなくなったのだ。

そこで信長は、方面軍というシステムを構築。
柴田勝家率いる北陸方面軍。
羽柴秀吉の中国方面軍、明智光秀の近畿管領軍などだ。
直接の戦闘は、各方面軍に任せ、信長は、全体の戦略決定を行っていた。

しかし、何事も、自分でやらなければ気が済まない信長。
方面軍を率いる武将を信頼し、すべてを任せていたわけではなかった。
武将の元には、与力と呼ばれる監視役の武士(スパイ)を付けた。
各武将の行う領地支配にも、厳しい制約を課していた。
つまり、部下を信用せず、配下の武将を手足のごとく、動かしていた。

部下たちが横どうし連携することも警戒。彼らの競争心をあおった。
ある時、重臣佐久間重盛を呼びつけた。
「丹波の国を任せた明智光秀の働きは目覚ましい。羽柴秀吉も数か国で功績を上げた。それに引き替え、おのれは感心するような手柄は、ただの1つも上げていないではないか。」
それから間もなく、重盛は、追放されてしまう。

噂を聞いた武将たちは、恐れおののき、互いを仲間として見ず、ギスギスした状態となった。
その恐怖支配の結果、史実のとおり、本能寺の変で、討たれる。

謀反の首謀者が明智光秀と聞いた信長は、次の言葉を発した。
「是非に及ばす。」(仕方のないことだ)

皆さんの会社の人事マネジメントはいかがでしょうか?


~中小企業の人事・法務担当~
関口総合法務事務所 社会保険労務士・行政書士
ALPHA FOLKS株式会社 代表取締役
関口 英樹

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