野鳥・折々の記録

身近な野鳥をデジ一眼及びデジスコで撮っています。
折々の事柄を記録し情報交換をお願いするため、ブログを開設しました。

チュニジアからの便り(ヤツガシラ)

2006年09月01日 | チュニジア便り

第4回 「ヤツガシラ」


 ヤツガシラはコウノトリやフラミンゴと比べ目立たない鳥ですが、頭の冠のような飾りや、ひらひらと優雅に舞う姿は魅力的です。


 チュニジアでは、ローマ時代の遺跡(チュニス市郊外のカルタゴ遺跡(かつてローマと地中海の覇権を争ったカルタゴ)など)で見かけました。


朽ち果てて2千年以上も経つ遺跡(といっても石の文化だけにかなりしっかりと都市の遺構が残っている)、人間の繁栄や滅亡に関係なく、ヤツガシラはそれ以前から、同じ場所で、静かにひらひらと舞っていたのでしょう。


 昨年チュニス市内で野外演劇がありました。スペインのアルハンブラを舞台にしたもので、キリスト教徒がスペインを奪還し、イスラム教徒を追い出すまでの間を描いていました。


イスラムが支配していた当時、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が争わず共存していたとのことです。キリスト教の武力によりそれが壊されるわけですが、それまでの平和な間の宗教が鳥で表されていて、ヤツガシラは「ユダヤ教」のシンボルとなっていました(キリスト教がナイチンゲール、イスラム教がフラミンゴ)。
いずれも平和の象徴ということなのでしょう。


(写真はスベイトラ遺跡で撮ったもの。鮮明でなくて申し訳ありません。)


チュニジアからの便り(フラミンゴ)

2006年08月14日 | チュニジア便り

第3回 「フラミンゴ」


 コウノトリに続いて、フラミンゴを紹介します。


 内陸のコウノトリに対し、海岸の花形はフラミンゴです。


 フラミンゴは地中海沿岸の湿地帯、波の静かな浅瀬に大きな群れを作って生息しています。


 (チュニジアは地中海に面しています。イタリアの長靴がけっ飛ばした三角形のシチリア、そのちょっと先にあるのがチュニジアです)。


 水面から何千という細い杭のような足を突き立て群れている姿は壮観です。地中海の熱い太陽に照らされながら、長い首を水中に突っ込み、餌をついばんでいます。


 時折何十羽という群れが一斉に飛び立ちます。長い首と足をぐんと伸ばし、大きく羽ばたく様も雄大で、見飽きることがありません。


 写真は、地中海に突き出たボン岬半島のコルバという町の付近で撮ったものです。


チュニジアからの便り(コウノトリ)その2

2006年07月08日 | チュニジア便り

これは同じく営巣しているところ。アルジェリアとの国境に近いジャンドーバという小さな町です。国境の町のため町外れに検問所があって、その検問ゲートの横の木の上に巣を作っていました。


道路の脇なので写真に撮りやすく、車を降りてカメラを構えていると、検問所の軍人らしき人がやってきます。


ヤバイぞと思いましたが、こういうときは何も知らないガイコクジンになるに限ります。ニコニコと笑顔を作りながら握手して、


「ここは景色がとても素晴らしいです。コウノトリもとても美しい」


なんて言いうと、


「うん、ここは美しいところだ。でも、ここは軍の施設だから写真は禁止されているんだ」


 やっぱりそうでした。写真禁止の場所や地区が結構たくさんあるのです。こちらももちろん注意はするのですが、それと知らずカメラを向けてしまうことがあります。以前も同じような経験があったので、それほど驚きませんでしたが、ここは何も知らないガイコクジン、ビックリした顔をして、


「それは知らなかった。大変申し訳ない。でもコウノトリの写真を撮っただけなんです。ほら」


とデジカメの映像を見せます。相手はフムフムと覗き込みながら、


「コウノトリはOK、それから検問所から向こう側の景色も構わない。だけど、検問施設からこっち側は撮らないでくれ。これも規則なんだ」


と少し申し訳なさそうに言ってくれます。


 再び握手をし、「よい一日を」と穏やかに別れたわけですが、治安が比較的安定しているこの国でも、結構こういったことがあります(観光地は別ですが)。


車を止めて長時間カメラを構える、といったことをすれば、住民から奇異な顔をされるでしょうし(ここでは風景や鳥を写真に撮ろうとする人はまず見かけない)、必ずお巡りさんや軍人に尋問されることになるでしょう。(私の写真のレベルが低いのはそのせい、手持ちでさっと撮るだけ・・・・まあ言い訳です)


これは黄色いお花畑の一枚。菜の花みたいですが、違うようです。何という花か知りません。


これは麦畑で。


そして最後は空を舞う姿です(一緒に写っているのはノスリの仲間でしょうか)。悠々と羽を広げゆったりと空を舞う風景は、見飽きることがありません。


自由に空を舞うコウノトリに、国境なんかありません。


チュニジアからの便り(コウノトリ)その1

2006年07月08日 | チュニジア便り

チュニジアに長期出張している友人が、第二弾として「コウノトリ」を送ってきました。
向こうでは、普通に見ることができるそうな、自然が豊かで羨ましいですね。 


チュニジアを代表する鳥は何だろうか。


1年以上この国に住み、各地を旅行して、この国の空を彩り、特に印象に強い鳥を考えてみきました。


コウノトリ、フラミンゴ、ヤツガシラ。


この3種が直ぐに思いつきます(もちろん全くの独断ですが)。


コウノトリ。チュニジアでも比較的緑の多い北西部に生息し、電柱や樹木の上に作っている大型のこの鳥の巣は直ぐに目につきますし、ゆったりと空を舞う姿はとても印象的です。


フラミンゴはこの国の北部や東部の海岸、干潟に群れをなしています。ピンク色の羽を広げ、長い首を伸ばして羽ばたく姿もとても美しいものです。


そしてヤツガシラ。前の2種と比べると小型ですが、町の郊外やこの国に多く残っているローマ遺跡などで時々見かけます。つがいでひらひらと舞い、ときおり少しもの悲しい声で鳴くこの鳥にも、私は強く惹かれます。


もちろんこのほかにも印象的な鳥は多いのですが、まずはこの3種について紹介していきましょう。


 この3月に、週末を利用してチュニジアの北西部を旅行したときの写真です。


 これは電線の支柱に営巣しているところ。中に座っているのは雛でしょうか。チュニス市から南西に150kmほど離れたル・ケフという町の近郊で撮ったものです。


ここはモロッコから発してアフリカの北を東西に横断するアトラス山脈の西のはずれに当たるところで、なだらかな山地になっています。地中海性気候ですが、山がちな地形のせいか降雨も多く、チュニジアの穀倉地帯になっています(といっても1000mm程度。日本と比べたらたいしたことはありませんが、この国では貴重な多雨地帯)。


そのせいで餌も多いのか、ここはコウノトリの一大生息地になっていて、車で走るとかなり頻繁にコウノトリの巣を見かけます。


チュニジアからの便り(ツバメ)

2006年07月02日 | チュニジア便り

 今週はセイタカシギを求めて知人から教えてもらったポイントへ土日ともプチ遠出しましたが、全く出会えずシャッターを押す機会もありませんでした。
 そこで、チュニジアへ長期出張している職場の友人の便りを紹介します。彼はバッドウォッチャーで鳥撮りではありませんが記録として時々撮るそうで、この度解説付きでメール送信がありました。


第1回目 「アマツバメ、ツバメ」


6月といってももう40度を超える暑さの、ここチュニス市の空を我が物顔に飛び交っているのは、アマツバメの群れです。ブーメランのようにすっきりと伸びた翼を拡げ、時に素早く旋回しながら、かなり高い上空からアパートの軒先近くまで悠々と、力強く飛んでいます。


 この暑さに早々に立ち去ったツバメを後目に、今もチュニスの空を支配しているこのアマツバメ、チュニジアには「ヨーロッパアマツバメApus apus」と「ウスアマツバメApus pailidus」の2種類います。この2種類はとても似ていて、大きさ、形ともほぼ同じ、ただウスアマツバメの方が少し色が薄い程度とのことです。


チュニス市でごく普通に見かける鳥なのですが、私にはその区別は正直言ってできません。写真にも撮ってみたのですが、とても動きが早く、上手く撮れませんでした。羽の裏側が少し薄い感じなので「ウスアマツバメ」?とも思いますが、光りの加減かもしれませんし、自信はありません。


 


ところで一月ほど前、友人から「コウモリみたいな鳥がオフィスに飛び込んできたのだけれど、なんていう鳥なのだろうか」というメールが、写真と共に送られてきました。彼が勤めている事務所に、ある日突然飛び込んできたそうです。


なにを間違って飛び込んだのか、事務所の人間もビックリ、その鳥もビックリしたことでしょう。飛び回ってぐったりしたところを捕まえて、記念写真を撮ったそうです。捕まえたとき、とても力が強い、と感じたそうです。



 


昼間にコウモリが飛んでいるはずはないので、おそらくそうかなと思いましたが、やはりアマツバメでした。


顔つきや拡げた羽、鉤のような爪が力強さを感じさせます。さすが、日がな空を飛び交っている鳥のパワーを感じます。色が黒っぽい感じなのでヨーロッパアマツバメでしょうか。やはり自信はありません。


このほか、ツバメの仲間では「ニシイワツバメDelichon urbica」を見かけます。アパートの軒先に巣を作っています。高速道路のサービスエリアに巣を作っていた姿を送りました。子育て中なのでしょう、頻繁に餌を運んでいました。



 


今日は、アマツバメ、ツバメの仲間でした。(鳥の名前等、間違えがありましたらお教え下さい)


 


私も時々の野鳥写真を添付して送っていますが、今回は写真も素晴らしいですが(?)説明文がすばらしいと返信しました。