巣立ち。

長男の進学がなんとか決まり、東京の大学に進むことになった。
第一志望校ではなかったようだけど、まあ、おめでとう。

それはよかったのだが、ギリギリに結果が出たので、全ての準備がギリギリで、慌しい対応を余儀なくされてしまうことになった。

ウチは、控えめに言っても裕福ではないし、実感的に言えばビンボの子沢山みたいなとこなので、進学にあたっては奨学金を希望していた。
制度として町の奨学金というのがあるのだが、それは親の保証以外に、町内在住の保証人を必要とするタテマエになっている。
ウチのようなヨソモノには、ハードルが高いのだ。
町内に親戚とかジジババがいればいいんだろうが、ヨソモノの核家族には望むべくもない。まして俺は、商売しているわけでもない一介の給料取りで、勤務先は隣の町だ。このマチにカネの保証人を頼めるような他人などいない。
役場に相談に行ったらそんなことだったので、ヨソモノを差別すんな、みたいなことを思わず口に出したら、そんなつもりではない、とのことではあった。
で、町も融通を利かせてくれて、町外の俺の親族でもよかろう、ということにしてくれた。今のところは現場レベルの判断らしいので、審査を通るかはまだわからないが。

それをはじめとして、入学手続きとか、現地での部屋探しとか、もうすべてが一時に集中で、しかもケツの余裕がない状況だった。
かーちゃんが東京に行ければ頼むのだが、津波を伴うような強い余震が懸念されている現状では、家に春休みのムスメたちだけにするのも心配だ。
なので、ここは有休をバーンと使って、俺がムスコに付いて、東京での諸手続きを片付けてきた。
俺は昨夜の深夜バスで東京を発ち、今日の午後に帰宅したところだ。
幸い計画停電にはぶつからずに済んだが。

ふられた第一希望が実力以上の高望みだったのか、ムスコが試験本番に弱いのかはわかんないが、結果は本人的にはやや不本意ではあったろう。それでもまあ、行ってもいい学校として択んだ学校のひとつなのは間違いないから、当のムスコもやる気にはなっているようだし、なにより親元を巣立つというのはめでたいことだ。
もっとも、巣立ったとはいっても、学生なんて、本当に巣立ったうちには入らない。
これから、親だけでなく、親戚やいろんな人の助けを借りて、少しずつ本当の自立を目指していくことになるのだ。
結果を出して、望む未来に進む姿を見せるのが、助けてくれる人たちへの恩返しだ。達者で頑張れよ、ムスコ。
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