老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1317; みな同じ人間である

2019-12-16 19:39:47 | 読む 聞く 見る
帚木蓬生 閉鎖病棟 新潮文庫

映画『閉鎖病棟』を見逃し
同名の文庫本を手にした。

精神科病院に入院されている精神病患者に対する見方、捉え方を
真摯に考えさせてくれる小説という印象を受けた。

現実には精神科病院の患者の社会復帰、家庭復帰は昔も今も変わらず遅々として進んでいない。
「患者はもう、どんな人間にもなれない」170頁
精神科病院に入院した時点で、患者という「別次元の人間」になってしまう。

死んで退院する以外に社会に帰れない。
帰りたくても帰れない精神科病院の患者
解放病棟や地域に精神障害者のグループホームができ、
地域のなかで暮らすようになってきているが
まだまだ社会から拒絶された「閉鎖病棟」であると、小説のなかでそう感じた。

筆者は「本人の努力と周囲の支えで立派に社会生活ができます」、と書き
社会の支援により社会参加ができることを小説を通し読者に問うている。


「患者はもう、どんな人間にもなれない」
強く胸に突き刺さった言葉であった。

精神障害という病気を抱えた人でしかなく、
精神障害者であっても私たちと同じ人間であること
精神病という一つの病気を慢性的な状態にある人間としてみる

一つ年上の姉も精神科病院に入院している
時間をつくり面会や外出を行っているとき
車の中で姉は「この先わたしはどうなるのか。ずっと病院にいるのか・・・・」

どう答えてよいか言葉に詰まり沈黙のまま
その場を過ごしたことがあった。
その日から10年が過ぎた。

閉鎖病棟で起きた殺人事件については
機会あるときに書いていきたい


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2 コメント

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Unknown (グライセン)
2019-12-17 07:49:51
この本、映画、観て見たいと思っていました。私はブログ上でも統合失調症の方のブログなどを読ませていただいています。コメントしたことは無くクリックボタンで意思表示しています。
色々勉強になります。
長期入院に大事な事がありました。
ベットの上での運動です。筋力トレーニング出来るものがありますよ。
特に足の筋力、お尻の筋力が落ちるのはまずい!
私は膝の手術してましたから実感でした。人の筋力はすぐ落ちますから
気をつけて下さいね。
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今日から・・・・ (星光輝)
2019-12-17 14:04:48
グライセンさん

いろいろお気遣いありがとうございます
両下肢筋力低下防止
大事なことは頭でわかりながら
運動はできていないのが実態です

今から点滴
15時半からシャワー
16時からでも2000歩程度
病棟内を歩こうと思ってます

ベッド上での足の体操頑張ります
明日のために
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