老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

銀の紬

2022-02-10 07:36:00 | 老いの光影 第7章 「老人のねがい」


1801 銀の紬

昔は、くず繭(まゆ)を紡いだ糸で織った絹織物を「紬」と呼び
江戸時代までは庶民の普段着であった。

くず繭であっても、出来上がり上品で素晴らしい着物になった。
紬は、太さがバラバラで均一でない紬糸を複雑に絡めて織っていくことで丈夫な着物が出来上がる。

デイサービスに集う老人たちも紬と同様に
生活歴や躰の状態や性格は、それぞれに違い個性派の集まりである。
90歳を越えた老人は、人生の達人であり、マイペースであり、くよくよしない。。

「紬」は、繭を紡ぐことから、「紡ぐ」という言葉を考えてみた。
言葉を紡ぐ 思いを紡ぐ 幸せを紡ぐ 命を紡ぐ 人生を紡ぐ などなど
どの「紡ぐ」を見ても 大切なことであり、それは眼に見えないものである

介護相談や介護、教育も保育も同じ
老人や子どもの思いや言葉に傾け、どう紡いでいるのだろうか。

言葉(思い)や命の「紡ぐ」が欠落すると
安易に人の命を弄ぶ輩(やから)が増え嘆かわしい社会になった昨今。

「紡ぐ」という言葉から、ふと立ち止まってしまった。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿