老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

786;埋葬

2018-06-27 04:32:39 | 老いの光影 第2章

埋葬

外陰癌を患い
痛みがあっても
一つ泣き言や愚痴をこぼさず
最期まで生きた
83歳の女性
安らかな死に顔に
合掌した
何度も白髪を撫で返した

義父の従弟にあたり
身内として
担当ケアマネジャーとして
いや
人として
葬儀に参列した
九年前に
お袋の遺骨を抱いた
それ以来
彼女の遺骨を抱いた
ぬくもりが伝わった

白い陶磁器の骨壺に
白骨になった亡骸を納める
もう今は亡き
あなたを想う
弟と妹が眠る墓の隣に
土を掘り
あなたをそっと置き
土に返した
六月二十五日は
忘れられない日になった


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