老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

850;来年の事を言えば鬼が笑う

2018-07-29 21:23:41 | 老いの光影 第2章
まだススキの季節ではないが、暑いので団扇の代わり

来年の事を言えば鬼が笑う

来年の事を言えば鬼が笑う
何故だろう

艶婆さんは
夏になると
商店街に繰り出される
提灯祭り〔注〕
夫は長期入院しているため
今年は
一人で観るのも侘しい、と思っていたら
デイサービスの仲間が
一緒に観てくれることになった

昨年の夏
脱水症から寝たきりになった
91才の智恵子婆さん
いまは杖なしで歩けるようになった
迷惑をかけるから・・・・・
誰かが「来年は生きているとは限らないよ」
桜の花同様
最後の提灯祭りになるかもしれない
来年提灯祭りが観れるとは限らない
死は突然訪れるかもしれない
老若男女問わず

だから
来年の事を言えば鬼が笑う
と言うのは
来年まで生きているかどうかわからない
来年の話をしても・・・・・


〔注〕鹿嶋神社祭礼渡御祭 白河提灯祭り

日本三大提灯祭りの一つにかぞえられている白河提灯祭り。
白河地方の総鎮守として、
古くから人々の尊崇を集め、
400年に渡り継承されてきた。
白河の人々の精神文化の歴史であり、
心の拠りどころとして伝えられてきた。

隔年行われている神輿の町内渡御・提灯行列・屋台・山車の引き廻し等、
別名「儀式まつり」といわれる程、
武家社会の格式を導入した独特の祭りで、
伝統文化として白河の地に受け継がれている。

粛々とすり足で進む行列、
宵闇に揺れる数千の提灯は幻想的で、
多くの見物客を魅了してきた。



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