たかが親子されど親子、そして兄弟そして夫婦そして自分

いづみかほるの様々な想い(世のファミリーをテーマにエッセイ風に綴っています)

年老いた母の理屈

2009-04-07 09:23:38 | エッセイ風
78歳になるひとりぐらしの母に電話をした
いつものとおり元気一杯の大きな声、しかし最近ちょっと心配ごとがあるという
便秘なんてしたことないのにここ数日便秘で困っているらしい
娘の私は便秘症なので日常茶飯事なのだが、母にしてみると重大なことなのだろう。

「もしかして癌かもしれないから病院に行かないよ
「え?病院に行くんじゃなくて病院に行かないの?
「行ったら早期発見されちゃう、それは困るよ
「え?早期発見でいいんでしょ?」
「もうすぐ80歳だ、手遅れでなけりゃあダメダメ!」
「え~?どうして?
「いいかい、早期発見で入院してじっとしてたら体が弱る前に頭が呆けちまう
「ほ~」
「そうなったらあんたに迷惑を沢山かける」
「ほ~」
「どうせなら短い入院でぽっくりといくのが一番一番
「だから手遅れがいいってこと?」
「そうゆうことそうゆうこと
母は言うだけいうと
「じゃあね~
っと勝手に電話を切った。

母はきっと長生きするだろうと改めて確信した娘であった

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コメント
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