第89回全国高校野球選手権大会が昨日、決勝を迎えた。
優勝したのは佐賀北。
県下では、進学校。
部活にあてる時間も3時間、甲子園に来ても
勉強会を毎日行っていたという進学校。
最近は、野球がつまらなくなっていた。
劇的なドラマを期待してみているわけでもないが
下火になる理由も少なからずお金を用いて集められた特待生で
ソレがプロ野球であろうと高校野球であろうと見ている人間だって
どこか皆、決められたストーリーに飽き、冷めた目をしていた。
ブラウン管に映るナインの身体はどのチームの人間よりも小さく
決してさわやかとは言えない真っ黒な笑顔と歯を食いしばるような顔。
喜びも全力で 戦いも全力で
そんな佐賀北ナインのユニフォームはいつも泥にまみれていた。
そのユニフォームを見るだけで、胸が熱くなる。
公立の高校とも知らず、ただぼんやりブラウン管に映る姿を見るだけで
他のチームとは違った姿が目に焼きついた。
一塁ベースに全力で走る姿が 忘れかけていた野球への情熱を呼び起こす。
心から野球が好きだと全身で表現しているようで
きっとその姿は私だけじゃなく全国の野球ファンの心を
久し振りに熱くさせただろう。
私立に野球の為に行く事が悪いとは思わない。
野球が好きで甲子園に出たくてそう選んだ事が悪いと思っているわけでもない。
その制度が確立された今、普通に公立に通いながら勉強し
仲間を慈しみ その野球への心が素直に映った佐賀北ナインが熱かった。
監督のコメントも優しさに溢れていた。
マンガのような劇的なドラマが久し振りに野球の素晴らしさを教えてくれた。
ぼてぼての内野ゴロをもう追いつかないとちんたら走る選手が増えた
打たれて 辛く哀しい場面でも 皮肉にも笑うしかない選手が見えた
心では哀しくても 心では辛くても
心では悔しくても照れ隠しに笑ってしまった顔を
テレビというブラウン管は全国に届けてしまう
感情むき出しに怒ったり喜んだり泣いたり・・・
素直に画面に映っていたら 結果は違っていたはずだ。
甲子園で優勝するって大きな事は自分のちっぽけなプライドや見栄を
かなぐり捨てていつも全力で戦わなきゃいけないって事だと思う。
優勝できなかったチームの選手にはプロになる選手もいるだろう。
いつかきっとその子達にもプライドや見栄をかなぐり捨てて
必死になる時が来ると思う ただそれが甲子園じゃなかった。
これから頑張ってね 応援してる。
誰よりも素直に 野球が好きだと伝えられたチームが優勝できて良かった。
泥にまみれた汗の染み付くユニフォームは 最高にきれいだ。
おめでとう 佐賀北ナイン