先日祖母が他界しました。
誰かが「死ぬ」ということからはずっと目をそらしてきたけど、年齢的にもそろそろ現実として受け止めなければならくなってきました。
どうやら、死んだ人にはもう二度と会えないらしい、二度と話せないらしい、二度とどこかに連れて行ってもらえないらしい。
もう二度と会えないと、しばらく時間がたってからはじめてその現実を理解してから脳裏には祖母との思い出ばかりが浮かんできます。
寒い日に幼稚園に迎えに来てくれた。
一緒に祖母の故郷まで旅をした。
高校や大学に受かったときは自分のことのように喜んでくれた。
思えば、世話ばかりしてもらったのに一度も真剣にお礼を言ったことがないかもしれません。
やっと素直にお礼を言える年齢になったのに。
帰郷してお墓に参るのはいつになるかわかりません。
それでも、そのときがくる日までに祖母が誇れるような人間に少しでも近づいて遅れてしまったお礼の言葉を墓前に捧げたいと思います。
そんなことを考えながら、静かに祖母の死という現実を受け止めます。