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将棋徒然草 其の六 「中年の星、涙の初タイトル」

2019年10月04日 08時00分00秒 | Weblog
令和元年9月26日、将棋王位戦第7局
王位、豊島将之二冠。29歳。 挑戦者、木村一基九段。46歳


豊島名人・王位 (先月の職場の教養に出てましたね)


木村九段(あだ名は「解説名人」「将棋の強いおじさん」「千駄ヶ谷の受け師」)

この日、110手で木村九段が勝って4勝3敗とし、46歳3ヵ月にして初めてのタイトルを獲得。



これで初タイトル獲得時の最高齢の記録を作りました。
因みに今迄の最年長は37歳六か月で一気に40台後半に記録を伸ばしました。

将棋棋士のピークといわれる30代をとうに過ぎ、タイトルを取るというのは並大抵のことではありません。
しかも相手は今の伸び盛りの豊島名人ですから。

木村新王位のこれまでの道のりも順風満帆とは言えない棋士人生でした。
12歳でプロ養成機関の奨励会に入り、プロ入りは23歳。最近なら遅すぎはないが、決して早いとは言えません。
その後も23年間勝ち星を重ね、順位戦A級通算5期はトップ棋士の一人とはなりましたが、
タイトルだけは取ることができませんでした。

飾らない人柄で、将棋の解説でもファンが多い人気の棋士ですが、
タイトル戦の挑戦者になること過去6回。
しかし全て敗退。


2005年 竜王戦。 0勝4敗で敗退。
2008年 王座戦。 0勝3敗で敗退。
2009年 王位戦。 3勝4敗で敗退。
2009年 棋聖戦。 2勝3敗で敗退。
2014年 王位戦。 2勝4敗で敗退。
2016年 王位戦。 3勝4敗で敗退。

極めつけは2009年の王位戦。
先に3連勝し、あと1勝というところで4連敗。
これは心が折れるでしょう。勝利の女神を恨む気持ちになったかもしれません。


それだけにこのタイトルは逃したくなかったと思います。


終局後のインタビューで、支えてくれた家族への思いを問われた時には込み上げるものを抑えきれず、
木村新王位は眼鏡を外し目頭をおさえて
「(家族への思いは)家に帰ってから言います」
と一言。


私もジーンときました。
何回も流した悔し涙が、歓喜の涙に変わりました。
人生捨てたもんじゃない。

将棋には、いろいろな感動のドラマがあります。
遅咲きのタイトルホルダー、木村一基新王位に乾杯

別府店  カマフチ