朝6時、伯父が逝ったと連絡があったという。
危篤の連絡があった時には、取り乱して泣いていた母だったが
朝食の用意をしながら、静かに、それを俺に告げた。
「あ。そう。」
気の利いた言葉なんか出て来やしない。
テレビドラマだったら、母を慰めたりするんだろうな。
「あ。そう。」…間の抜けた言葉。
カレンダーを見る。
「いつ、友引だったっけ?」
「通夜はいつになるんだろ」
昨日、見舞った時の伯父の顔が思い浮かぶ。
親戚衆それぞれが、伯父に顔を近づけ語りかけるごとに、ほんの一瞬笑ってくれた。
目は虚ろで意識はないように見えても、きっと聞いていてくれたのだろう。
中島みゆき - 永久欠番
今日は彼岸の入り。
俺が伯父の逝去を父に報告ついでに墓参し、母は伯父の家に。
家に用意された墓前に供える花の赤がやけにまぶしい。