Broken Flowers …はうはう河馬の脂肪遊戯

いらっしゃいませ。お独りさまで?どうぞお好きな席に。戯れ言、繰り言、かあるくかるく。

22…満足そうに食べている顔を見てたら、

2008年08月22日 | 2008
連れと居酒屋で怪気炎を上げて威勢良く飲んでいた金曜の夜、
1軒目の酒も手伝って、かなり泥酔して視線も虚ろになった2軒目の金曜の夜、
別れた人に会った。

会社の上司と2人で入ってきた君は
俺を見つけると、懐かしいといった顔で、思い切り俺の右肩を叩いた。

あいにく、カウンターの空いている席は、俺の横しかなく、君は俺の横に陣取る。
少しの間、互いに躊躇しているような「間」があったけど
どちらともなく昔話に傾いていった。


20代の頃、どちらがどちらに言い寄ったんだっけ。
君は、俺にふられたと、会社の上司に言い
俺は、君にふられたと、連れに言い
上司も連れも、興味深げに、俺らの話に聞くともなしに耳を傾けている。

そう言えば、君の運転でどっかにドライブに行ったんだっけ。
みゆきさんが好きなんだっけ。
他愛もない会話に味付けされて、酒はどんどん甘くなっていく。
20年以上前の昔話は、砂糖で固められたお伽噺のようなもの。
本当にあったことなのか、それすら危うい。

カウンター越しにママさんが、注文した鮎の塩焼きを連れに差し出した。
なあ、俺、本当は鮎の塩焼きは、好物なんだよ。
魚は苦手でも、鮎だけは大好きなんだ。
美味そうに鮎を、箸で上手にむしって口に運んでいる連れを見ながらそう思う。

けれども、連れの満足そうに食べている顔を見てたら、
箸を出せなくなってしまった。
ま、喰わんでもいいか。(苦笑)

22食事

2008年08月22日 | 2008