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はせがわクリニック奮闘記

糖質制限、湿潤療法で奮闘中です。
パーキンソン病にはグルタチオン点滴を
癌には高濃度ビタミンC点滴も施行中です。

久山町の悲劇

2011年11月05日 | 糖質制限食


今回は江部康二先生のブログを基にした紹介です。
福岡県福岡市の東区に隣接するというロケーションで久山町という人口8000人ほどの町があります。
医学の分野では世界的に有名な町です。
なぜならば、町の近所の九州大学の医学部が50年前から町民全員の疫学調査(どんな生活習慣でどんな疾患を発症したか、
どんな死因だったかなどの調査)を続けており、貴重なデータを世界に発信しているからです。
数年前にはピロリ菌と胃癌の殆ど100%に近い相関関係を発表しました。
さて、その久山町の糖尿病を撲滅するべく、九大の先生方が1988年にあるプログラムをスタートさせました。

①運動療法
②三食をバランス良く食べさせるが、脂質を減らして炭水化物を増やす。

この2点です。
このプログラムは2002年まで14年間にわたって続けられました。
スタート時点で久山町の40歳から79歳までの糖尿病患者は男性の15.0%、女性の9.9%でした。
で、14年後にどうなったのかというと、それぞれ23.6%、13.4%と激増してしまったのです。
厚生省の統計によれば1997年から2002年にかけて日本人全体の糖尿患者は微減しています。
というわけで、九大のプログラムは大失敗に終わったわけです。
①の運動療法が糖尿病に悪い影響を与える確率はゼロですので、②が失敗であったことは明白です。
ところが九大の先生方の反省は違います。決して②が失敗だったとは言われません。
遺伝子が違うのに欧米の生活習慣を取り入れた。メタボが増えた。などを原因と指摘されておられます。
生活習慣の欧米化とは具体的になんなのかの説明がありません。
運動療法とバランスの良い食事を続けているのに、なぜメタボが増えたのかを考察される気配もありません。
町民のみなさんに今更”ゴメン”と謝りにくいからでしょうが、科学者として失敗を失敗と認める勇気が必要なのではないのでしょうか。

写真は私の減量グッズです。

ケトン体

2011年10月29日 | 糖質制限食


先日の十徳やの弁当のケトンに対する影響結果が出ました。1720あったケトンが674に激減していました。
3-ヒロドキシ酪酸ベースでは、1340が521と半分以下になっていました。
たった一食でもインスリンを分泌させてはならないことが良くわかりました。
今、この糖質抜きダイエットを推奨する第一人者は江部康二先生で著書、レシピ本など多数あります。
ホームページも充実しています。 ”ドクター江部の糖尿病徒然日記 ”で検索して下さい。
しかし江部先生の指導はゆるすぎます。
レシピ本をみると一食で簡単に15g程度の炭水化物を摂ることになります。
ただ、このゆるさがブレイクしているコツかもしれません。
一方で、わたしが推奨する釜池豊秋先生は厳しすぎるのが災いしたのか、ホムページは閉鎖されています。

インスリン=肥満ホルモン

2011年10月28日 | 糖質制限食
何故インスリンの分泌を嫌うのかというと、インスリンがリポプロテインリパーゼ(LPL)の働きを抑制するからです。
LPLは中性脂肪(トリグリ)を脂肪酸とグリセロールに分解する酵素です。
トリグリの状態ではエネルギー源として利用できません。
したがって、LPLが抑制されると
①内臓脂肪が分解されない。
②血中のトリグリが分解されない。
③脂肪酸が枯渇するので、肉体は仕方なく糖をエネルギー源として使い、血糖値が下がる。
もともと、人間は糖よりも脂肪酸をエネルギー源としたほうが効率が良く、活性酸素の発生も少なくて済むそうです。
今まで言われてきた、脳のエネルギー源は糖だけだから、朝食をちゃんと摂らないと頭が働かないというのは嘘です。
脳も脂肪酸を使う方が効率が良いのです。
赤血球など、まれに糖しか利用できない臓器もありますが、糖新生で十分カバーできます。
基本的に人間は炭水化物、糖質ゼロでも生きていけるように創られているのです。

肝臓にグリコーゲンとして蓄えられているエネルギーは1000カロリー位だそうです。
体脂肪は肥満度によっても違いますが数万カロリーだそうです。
人間が水だけで一カ月ほど生きられるのは、体脂肪を分解することによるのです。
肝臓のグリコーゲンなど半日で消費されてしまいます。
脳が糖しか利用できないのならばこの生存の説明がつきません。
脳が消費するエネルギーは膨大で、糖新生くらいでは追いつかないはずです。

無理目な弁当

2011年10月26日 | 糖質制限食
昨日は薬品会社(ツムラ)の勉強会でしたので、昼食は隣の十徳やに特注した弁当でした。
私の分はさらに特別に、ご飯の代わりにサラダを入れてもらいました。
基本的に単価が低い十徳やに、2000円の弁当を発注したので、その内容はテンコ盛の無理目なものとなってしまいました。
てんぷらにフライに肉に中華に焼き魚...etc。スウィーツとフルーツを除いて、ほとんど完食してみたのですが、1時間後に、あの懐かしい食後の倦怠感に襲われました。
試しに採血してみると、血糖値こそ135ですが、インスリンは41.2と上昇していました。
反動で夕方にはこれまた懐かしい飢餓感に襲われました。
残ったインスリンによる低血糖発作が原因です。
15分ほど我慢してやり過ごしましたが、かなりのストレスでした。
まだデータは出ていませんが、1700以上まで増加させていたケトン(正常値は26-122)も一気に崩壊させたかもしれません。
案の定、今日の体重は1Kg増えていました。
私の減量法はひたすらインスリンの分泌を抑えることにあります。
血糖値が上がらないかぎりはインスリンは出ません。
タンパク質や脂肪を食べても血糖値は上がりません。
炭水化物と糖質のみが血糖値を上げます。
現実的には野菜にも炭水化物が含まれますので、ゼロというわけにはいきませんが、1回の食事での炭水化物を5g以下にすると、ほとんどインスリンは出ません。
ご飯は15gでアウト、食パンは1/5切れで、うどんもソバも20gでアウトです。
ところがステーキなら200gを食べても血糖値はほとんど上がらずインスリンは出ません。
ウィスキーをいくら飲んでもインスリンは出ません。
ここに、酒飲みの私の贅沢な減量法が成立するカギがあるのです。
私の血糖値は一日中100チョットで安定しており、低血糖のひもじさも、高血糖の眠さ、けだるさもありません。
人間の体は糖か脂肪酸のどちらかをエネルギー源として利用します。
高血糖にならずインスリンが出ない私の体では体脂肪を分解して脂肪酸をつくり、それをエネルギー源とする代謝が繰り返されています。
この分解される脂肪酸が多いせいでケトーシスが出現するのですが、腎機能が正常ですので、ケトアチドーシスにはなりません。
むしろ、血中のケトン(3ヒロドキシ酪酸)の数値が高いことが、私の減量法がうまくいっていることの目安となるのです。

ダイエット

2011年10月21日 | 糖質制限食
平成23年の6月25日から、炭水化物、糖質抜きのダイエットをスタート。78Kgから68Kgへの減量に成功しました。
現在は朝食はブラックコーヒーのみ。
昼食はキャベツとレタスのサラダに糖質ゼロのハムと半熟玉子とマヨネーズをかけて食べています。
夜は基本的にジョニ黒を半分は空けます。焼き鳥屋、居酒屋、焼き肉屋に週に2,3回通います。
ダイエット前とダイエット後で血液データは以下のように、すべて改善されました。
  GOT 42が24に 
  GPT 54が25に
  ガンマGTP 160が37に
  総コレステロール 250が200に
  中性脂肪 900が60に
  HbA1C 5.4が5.0に
結局、酒の飲み過ぎや脂肪分の摂り過ぎでは無く、糖質、炭水化物による脂肪肝だったのです。
脂肪肝が改善された結果、酒が強くなり、二日酔いも全くありません。
以前は入らなかった霜降りステーキもペロリとたいらげます。
睡眠の質も向上して、毎朝リセットされたような感覚で目覚めます。

このダイエット方に興味のある方は、釜池豊秋で検索して下さい。数冊の著書がヒットするはずです。