ペルル嬢(140)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant
————————【140】——————————————
Je la regardais, je voyais battre son cœur
sous son corsage à guimpe, et je me de-
mandais si cette douce figure candide avait
gémi chaque soir, dans l'épaisseur moite de
l'oreiller, et sangloté, le corps secoué de
sursauts, dans la fièvre du lit brûlant.
—————————(訳)———————————————
私はペルルさんを眺めていました.胸飾りのついた
ブラウスの下で彼女の心臓が動悸を打つのがわかり
ました.私はこの優しい無邪気な顔が毎晩、湿っぽ
い枕にうずくまり、呻いでいたことがあったのだろ
うか、そして焦げ付くような熱いベッドの中で、体
を震わせすすり泣いたことがあったのだろうかと思
ってみたりしました.
—————————《語句》——————————————
battre:(自/他)(ここでは自) 打つ、たたく、
(心臓が) 動悸を打つ
corsage:(m) ブラウス
guimpe:[ガンプ](f)❶【服飾】ギンプ(女性用の
袖のない胸衣) ❷ウィンプル(尼僧の
用いる白い頭布)❸胸飾り、胸当て;
se demander:(pr) 自問する、。考える
candide:[カンディド](形) 純真な、無邪気な
avait gémi:(直大過去) < gémir (自) (苦痛に)うめく、
épaisseur:(f) ❶厚さ、厚み;❷濃さ、濃密さ、
❸豊かさ、❹奥、深いところ
moite:(形) 湿っぽい、湿り気のある、
oreiller:(m) 枕
sangloté:(p.passé) < sangloter (自) すすり泣く、
むせび泣く
secoué:(p.passé) < secouerr (他) 揺さぶる、
激しく動かす、
sursaut:(m) びくっとすること、思わず跳び上がる
こと、辞書不掲載ですが、ぴくぴく痙攣する
ことを言っているだと思います.むせび泣き
体を痙攣させた、あるいは、むせび泣き見悶
えした
fièvre:(f) (病気による)熱
lit:[リ](m) ベッド、寝台
brûlant(e):(形/p.pré) 燃えるような、焼けるような
熱い、熱烈な、< brûler (他) 焼く、燃やす
焦がす