あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
鍼灸院ってどんなところ?と知っていただけたらうれしいです。

病気を癒す森の散歩(その4) 肺と肝の関係

2009-10-23 22:51:48 | 健康・病気

肺は氣を主(つかさど)り全身の氣の働きに関係しているとお話しましたが

肝臓が蓄えている血液との協調関係も健康を保つ為に見逃すことが出来ません。

教典から
『肝は血を蔵す』
『肝は将軍の官』

 肝は血液を蓄えるとともに『将軍』の働きを担い、全身の血液量の調節を行い、
心臓に送ります。心臓はポンプ作用によって血液を送り出します。送り出された
血液を肺が受けて肺は『相傅』の役割を担い血の循環速度を管理・調節していま
す。

【私が脈を診る所は肺経の血脈が通っている所ですので全身の五臓六腑と病症を
知ることが出来るのです】

 この様に、肺と肝は協調して、全身の氣と血液量を管理調節しています。

 肺が働かないと氣が滞り前述した病症(自律神経失調症・不安症・鬱病など)
が発症するとともに、肝の働きが弱くなると血液が滞り(悪血)、ひいては肩こり、腰痛などの
筋肉疾患につながっていったり、生理不順、生理痛、不妊症等の各種婦人科疾患が発症し
やすくなります。

 又、「喘息発作が治りきりません」とか「風邪を引いて熱は治まったが咳が止まりませ
ん」等の訴えで来院される患者さんがいらっしゃいますが、これも肺と肝との関わりが有
るのです。

 ・心配事があったときに喘息発作を起こした(かなり多い症例です)

 ・緊張すると決まって咳が出てしまう(舞台の本番や入学試験など)

 ・腹立たしい気持ちが抑えられないような時に息苦しく感じる(過換気などもこういう理由からも起こりやすいです)

なんて事を経験した貴方、これは、肺の主る憂い悲しみと肝の主る怒りを
過ごしてしまった結果なのですね。

 つまり、身体の各器官は、氣・血それぞれ単独では働かず、氣と血液が調和し
て始めて健康を保つことが出来るのです。

西洋医学的に人体を細かく臓器別に分けるのではなく、人間を全体の一つとして捉え

そのバランスや総合関係を診ていかなければ病気の診断や健康へのみちすじを

たてることはできないのですね。

『森の散歩』は、この人体を大きく一つで捉えたうえで、本当に効果のある運動です。

マイナスイオンたっぷりの良い『氣』を受け、運動によって『血』をめぐらせ

その結果として『津液(水)』を一番良い状態へ持っていくことができるのです。

目を閉じて、森の中で深呼吸している様子を想像してみて下さい。

それだけで、心と身体リフレッシュしませんか?

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急に寒くなってまいりました

2009-10-22 23:42:00 | 健康・病気

日中はまだまだ日差しが強く暑いぐらいのこともございますが

朝夕は本当に冷えるようになってまいりました。

今朝も薄手の長袖一枚では寒い感じでしたね。羽織ものが手放せない

季節になりました。

当院でも、朝治療のベッドの電気毛布を入れて今週より

暖かいお布団で治療を受けていただくようにさせていただきました。

ただ、この温度も人によって個人差がかなりございます。

掛け物が暑すぎるようでしたらお気軽にお声をかけてくださいね。

スイッチを切ることもできますし、薄いタオルケットなどで対応することもできます。

少しでも快適に治療を受けていただきたいと思っています。

患者様のお声を生かしていきたいと思います。

このブログのコメント欄でもスタッフにでもお気軽にこんなふうに

してほしいとか、これはつらいとか(こんなことあったら大変ですが・・・)

お気軽にお申し付けくださいね。

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病気を癒す森の散歩(その3)

2009-10-21 23:45:15 | 健康・病気

今日は肺と腎臓との関係についてお話したいと思います。
 排尿困難も肺に関係が有るのですよ。

教典から
『諸蔵の清濁陰陽の気、これに従いて周身に分布く、五蔵の華蓋となる。』
『五蔵の天に応ずる者は肺なり、肺は五蔵六府の蓋なり。』
『肺は水の上源」、「肺は水の行りを主る。』

患者さん. 「先生、実はお小水の出が悪くて・・・。」
私. 「それは最初から出にくいの?。それとも最初は出るけれどすぐに止まっ
てしまい残尿感が有るのですか?」
患者. 「最初は出るけれど残尿感が有るのです。」
私. 「それは肺の働きが悪いですね!。」
患者. 「え! 肺ですか?! 腎臓か膀胱だと思っていました。」

教典に『肺は五臓の蓋』、『肺は水の上源』とありましたね。

さて、こんなことをしたこと有りませんか
コップに水を入れてストローをさしこむ。ストローの上の部分を指で蓋をする。。
ストローを持ち上げる。水は一滴も出ません。
もうお解りでしょう。

肺の働きはこの指の蓋と同じなのです。従って肺が働かないと水液代謝の調節が
出来ないのは勿論のこと肺(蓋)が閉じたら膀胱に貯まった小便は出なくなりま
す。

 喘息発作に苦しむ20代の患者さんが来院した時のお話です。

喘鳴と呼吸困難でいかにも苦しそうな症状で来院されました。

ステロイドの点滴を数回行ったが治まらないとの事でした。

脈診すると肺が働いていない脉状を示しています。

「これでは小便が出にくいでしょう」と言うと「一日でないことも有ります。」との返事。

これには私が驚きました。普通なら尿毒症で命が危ないはずです。
脈に従い肺気を補う治療をするとたちまち喘鳴が治まり呼吸が通りました。

病院で点滴の予約をしてあったので断ると担当医師も「え!どこのツボに鍼したの」
と興味深く聞かれたそうですが、「それが痛くないのでどこにさされたのかわからない」
と答えたとのことでした当院での治療はお体の元気のないところを補う治療がほとんどになりますから、痛みを伴うどころかどこに鍼をしているのかわからないぐらいなのですね。

ほとんど刺さない治療が大半ですから、みなさま最初は驚かれますが

自然治癒力はそんなに深く刺鍼しなくてもきちんと働いてくれるようになるのです

 疾病を見る治療ではなく、病気を観る治療を行うので有れば“森の散歩”の処
方箋が有効であることが理解できるでしょう。

自然の力は肺気をとても養います。呼吸器循環器系にトラブルのある方

運動を控えるのではなく、適度に森の散歩始めてみてくださいね。

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病気を癒す森の散歩(その2)

2009-10-20 21:10:00 | 健康・病気

連載のようになっていますが是非お話したい内容ですので読んでくださいね。

肺臓と心臓との関係も健康を保つために見逃すことが出来ません。

例によって教典から引用します。
『肺は以て営衛を陰陽に行らすなり。』
『肺は臓の長なり。心の蓋と為すなり。・・。』
『肺は相傅(そうふ)の官、治節焉より出づ。』

 『営衛』とは営気・衛気(えいき・えき)のことです。

「疲れたからしばらく温泉に行って営気を養ってきます」

などと使われていますね。まさしくその営気です。

衛気についてはあまり聞かれませんが、外邪(インフルエンザ)などから身体を守るエネルギーのことをさします。

つまり、営気が正常に機能すれば体内において血液を全身にくまなく送り、衛気
は体表で外邪に対抗して、素早く、激しく、荒々しく、滑らかに走り、外邪から
身体を守ると共に外邪が侵入した場合は汗孔を開いて汗と共に邪気(ウイルスな
ど)を追い出します。副腎皮質ホルモンに似ていますね、したがって『剽悍之氣』
などとも言われています。

 患者さまが「鍼を行うようになってから風邪を引かなくなりました。」などと
言われます。鍼灸治療は一口で云うと営衛を補っていますので『未病治』が可能
なのですね。

 『相傅』とは、心に代わり、肺が五蔵六府の長となり、全体を統率している宰
相ということなのです。

つまり、肺は心臓から送り出される血液を全身に循行させる役割を行います。心
臓が血液を送り出しても肺の働きが弱っていると血液の行き場所を失い、やがて心
臓の働きも弱ります。この関係を相剋(夫婦)関係と云います。思い当たりませ
んか?貴方が相手に話しかけても聞いてもらえないとストレスと感じるのではないでしょうか?
 

したがって、肺の働きが弱ると風邪、気管支喘息、鼻炎などの病症のみならず
高血圧、狭心症、心筋梗塞など、心臓に関わる病症にも発展することが有ります。

 『営衛』を補い養う“森の散歩”の効果について少し理解していただけたでしょうか?

みなさまも是非『森の散歩』始めてみませんか?

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第37回日本伝統鍼灸学会学術大会に参加してまいりました

2009-10-19 00:13:00 | 健康・病気

昨日は大阪で行われた日本伝統鍼灸学会学術大会に参加してまいりました。
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日本伝統鍼灸学会  http://jtams.com/

数年前までは毎年必ず参加しており、

『寒病証(冷え性)の臨床研究』という演題で研究発表も行ったこともありますが

今回は久しぶりの参加です。

日本伝統鍼灸学会は日本における古典医学(東洋医学)を行う各会派が

一同に会して研究成果を発表し意見交換を行う研修団体です。

他の研究会の発表を聞くのは自分の臨床を振り返る大変良い機会です。

新たな発見・気付きもあり、早速本日の臨床に応用させていただきました。

ただとても残念に感じたことは、鍼灸免許を取得したばかりの者や学生と思われる

俗に言う若者がとても消極的だったことです。

実技指導でモデルを募集していたのですが挙手する人がいませんでした。

鍼灸の技術は見るだけで身につくものではありません。ベテランの先生が

公開実技を行っているこの願ってもいないチャンスをどうして生かさないのだろう?

と不思議でなりませんでした。私が若いときには率先してモデルになり

ベテランの先生の手の技(鍼灸の治療技術)を盗んだものです。

実際にモデルとなり患者様の気持や立場になって治療を実際に

受けてみなければ、治療効果や治療を受けた時の感覚は絶対にわかりません。

自分が若い頃、東京の研修会に参加する時は前日のうちに名高い先生の

治療院に治療を受けにお邪魔して見学させていただいたものです。

数年前同会で日野原重明先生をお招きして『医のアート』の演題で

お話をしていただいたことがあります。『医のアート』とは簡単にまとめてしまうと

『疾病状態を健康に塗り替える手技・芸術である』という

ことだそうです。そういう意味で先生はしきりに「てあて」が重要である

ということをお話されました。これが医の原点、医そのものなのですね。

この『手当て』が本当に一番重要なことなのです。当たり前のことなのですが

近頃どんどん薄れていってしまっていると感じざるを得ません。

人はやはり人の暖かい手によって癒されていきます。鍼灸の選穴(ツボを選んだり探す)

や刺鍼技術も当然大切な要素なのですが、私たちが重視しているのは

鍼の刺し方よりもむしろ押し手(鍼を持っていないほうの患者様に直接触れているほうの手)だというぐらい手当ての効果や重要性に重点を置いて考えています。

お気づきかどうかわかりませんが、当院でも私の治療中もそうですが

助手がお灸をした後に、必ず患者様をさすっていますが、これも

氣の流れを良くするためにとても大切な治療の役割を果たしているのです。

漢方鍼医会では毎月研修会を行っていますが、午後の時間は『手から手への技術
指導』と称して必ず実技を行っています。

漢方鍼医会 http://www.kanpouhariikai.com/

名古屋漢方鍼医会 http://nagoyakanpo.com/

鍼灸治療に迷いを持っているあなた!鍼灸学校の学生さん!

一度本会をのぞきにいらっしゃいませんか。

東洋医学の診察法は四診法といって「望診(視診)、聞診(声、臭いなどを聞く)、
問診、切診(脈診・腹診・経絡診・体表観察)などが有ります。

見て、観て診て感じて下さい。

(これらについてはまた機会があるごとにアップしたいと思います)

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