昨日は大阪で行われた日本伝統鍼灸学会学術大会に参加してまいりました。
日本伝統鍼灸学会 http://jtams.com/
数年前までは毎年必ず参加しており、
『寒病証(冷え性)の臨床研究』という演題で研究発表も行ったこともありますが
今回は久しぶりの参加です。
日本伝統鍼灸学会は日本における古典医学(東洋医学)を行う各会派が
一同に会して研究成果を発表し意見交換を行う研修団体です。
他の研究会の発表を聞くのは自分の臨床を振り返る大変良い機会です。
新たな発見・気付きもあり、早速本日の臨床に応用させていただきました。
ただとても残念に感じたことは、鍼灸免許を取得したばかりの者や学生と思われる
俗に言う若者がとても消極的だったことです。
実技指導でモデルを募集していたのですが挙手する人がいませんでした。
鍼灸の技術は見るだけで身につくものではありません。ベテランの先生が
公開実技を行っているこの願ってもいないチャンスをどうして生かさないのだろう?
と不思議でなりませんでした。私が若いときには率先してモデルになり
ベテランの先生の手の技(鍼灸の治療技術)を盗んだものです。
実際にモデルとなり患者様の気持や立場になって治療を実際に
受けてみなければ、治療効果や治療を受けた時の感覚は絶対にわかりません。
自分が若い頃、東京の研修会に参加する時は前日のうちに名高い先生の
治療院に治療を受けにお邪魔して見学させていただいたものです。
数年前同会で日野原重明先生をお招きして『医のアート』の演題で
お話をしていただいたことがあります。『医のアート』とは簡単にまとめてしまうと
『疾病状態を健康に塗り替える手技・芸術である』という
ことだそうです。そういう意味で先生はしきりに「てあて」が重要である
ということをお話されました。これが医の原点、医そのものなのですね。
この『手当て』が本当に一番重要なことなのです。当たり前のことなのですが
近頃どんどん薄れていってしまっていると感じざるを得ません。
人はやはり人の暖かい手によって癒されていきます。鍼灸の選穴(ツボを選んだり探す)
や刺鍼技術も当然大切な要素なのですが、私たちが重視しているのは
鍼の刺し方よりもむしろ押し手(鍼を持っていないほうの患者様に直接触れているほうの手)だというぐらい手当ての効果や重要性に重点を置いて考えています。
お気づきかどうかわかりませんが、当院でも私の治療中もそうですが
助手がお灸をした後に、必ず患者様をさすっていますが、これも
氣の流れを良くするためにとても大切な治療の役割を果たしているのです。
漢方鍼医会では毎月研修会を行っていますが、午後の時間は『手から手への技術
指導』と称して必ず実技を行っています。
漢方鍼医会 http://www.kanpouhariikai.com/
名古屋漢方鍼医会 http://nagoyakanpo.com/
鍼灸治療に迷いを持っているあなた!鍼灸学校の学生さん!
一度本会をのぞきにいらっしゃいませんか。
東洋医学の診察法は四診法といって「望診(視診)、聞診(声、臭いなどを聞く)、
問診、切診(脈診・腹診・経絡診・体表観察)などが有ります。
見て、観て診て感じて下さい。
(これらについてはまた機会があるごとにアップしたいと思います)
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