あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
鍼灸院ってどんなところ?と知っていただけたらうれしいです。

病気を癒す森の散歩 その5 肺と脾の関係

2009-10-27 00:02:00 | 健康・病気

長期連載になっていますが、みなさまにぜひお話したいのでアップします。

肺と脾臓における協調関係も見逃すことが出来ません。

 「脾は中洲」、「脾は中央」と云われ、脾と胃は五臓の中央に位置しています。
食物は胃腸の消化吸収作用によって得られたエネルギー(胃の気・衛気・営気)
を送り出し、自分も含めて他の四臓(肺・心・肝・腎)を養っています。

美酒を飲んだときに「五臓六腑に染み渡る」などと言われますね。個々で言われ
ている六腑とは胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦(さんしょう)のことで胃と六腑は協調して食物の消化活動を行っていますので脾胃は一体となって働いています。

教典から
『飲は胃に入り、精気を遊溢し、上の脾に輸す。脾気は精を散じ、上の肺に帰し、
水道を通調し、下の膀胱に輸す。』
『栄気の行は常に衛気と相い随うや。然り経に言う、人は気を穀に受く、穀が胃
に入りて、乃ち五蔵六府に伝与す。五蔵六府は皆気を受け、其の清なる者は栄と
なし、濁なる者は衛となす。栄は脉中を行り、衛は脉外を行る。・・故に栄衛相
随うを知るなり。』

 脾はエネルギーを上(肺・心)に輸送します。肺はそれを受けて肺気の働きに
より、全身に輸送し、その一部は汗となって体外に排泄します。
一方、不必要な水液は肺の働きにより膀胱に運ばれて尿となり体外に排泄します。
 このように肺と脾は協調して、水液代謝を行っているので、「肺は水の上源」、
「肺は水の行りを主る」といわれています。

少し難しいようなお話ですが、かんたんに言えば肺が全身の水分の

大切な調整の役割を果たしているということなのですね。
 

呼吸器疾患が慢性化している人の中には、食欲不振等の胃腸疾患や全身倦怠感
を訴える人がいます。現に西洋医学的にも気管支喘息の患者のほとんどが逆流性食道炎を起こしやすいというデータまで出ているほどです。

、これは長期間の呼吸器疾患により肺の働きが低下して、脾から送り出されるエ
ネルギーの運搬活動を補佐できなくなったために、脾の働きまでも低下してしま
ったことによります。

 一方慢性の消化器疾患の患者さんの中には、声が微弱で呼吸に力がなくすぐに
息切れしたり、痰の多く出る咳嗽をともなっている人がいます。

これは長期間にわたる脾の機能低下により、エネルギーを肺に供給出来ないため
にしだいに肺の働きが弱り呼吸障害などを起こしたケースです。

 このように、脾と肺の働きが低下すると相互に影響しあって、胃腸障害、呼吸
障害、排便排尿障害やめまい等、多くの病症に発展します。

反対にいえば、これらの調整を鍼灸治療ではかることによって双方どちらの症状も快方に向かうということになります。お分かりいただけますでしょうか?

コメント
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