あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
鍼灸院ってどんなところ?と知っていただけたらうれしいです。

駒ヶ岳登山

2023-02-12 19:11:00 | ブログ
こんにちは。今日は曇り空で、スッキリしませんでしたね。
毎週日曜日は、院長の自伝です。

「エ! 本当に駒ヶ岳まで行くの?」 視覚障害者の私はただついて行くだけだ。
駒ヶ岳までの途中、中岳では、左側は断崖絶壁であるため、一歩誤れば命は望めない。



イメージ画像です(これは、10年ほど前に登った御在所岳中道登山道の一部です)

右側の岩にへばり付きながら慎重に岩場を進む。
向かい側から若い男女が下ってくる「こんにちは、あとどのくらいでしょうか」
と声をかけた。すると、怖いので頂上まで行かずにもどってきました」とのこと。
それでもsさんは登って行く。私はついて行くだけだ。
中岳を通り抜けると又石のガレ場を登る。やがて駒ヵ岳山頂に到着した。岐阜県
側と長野県側にそれぞれ神社が建っている。7人ほどの登山者がカメラを構えた
りスケッチをしたり思い思いに山頂の景色を楽しんでいた。静寂さの中に、岩雲
雀のかわいい鳴き声、谷間をぬって大地のおたけびとでも言う様な、地鳴りが足元から響いてくる。
全盲の私にも一歩一歩確実に登ればこんなに高い山にも登る事ができる。
言い知れぬ感動を覚えた。しかし、いつまでも感激を味わって居る訳には行かない。
下山にどれだけ時間を費やすかも知れないのだ。20分ほどで下山にとりかかる。
中岳の厳しい岩場を一歩一歩足元を確認しながら下る。

「ア! しまった!」カチンカキン、その音はもうはるか下の方で響いている、
白杖を落としてしまったのだ。その音の響きで一歩足を踏み外したら命が無い事を悟る。
万が一の為に持ってきたスペアーの白杖が、ここで役にたった。
下山は膝関節に負担がかかる。兼ねてより、時々痛かったベーチェット病による膝の痛
みが出現し足が思う様に進まない。左足を引きずりながらロープウェイ乗り場迄たどりつく。
宿泊先の国民宿舎で風呂に入った後、痛む膝に鍼を施し、痛みは無くなる。
翌日は、駒ヶ根市内を散策しながら帰路に付く。
一歩一歩確実に歩けば全盲の私にも山を楽しむ事が出来る。いいしれぬ感動を覚えた。
 登山を成し遂げた充実感と、山の清気をふんだんにあびて来たせいか気分も良く、治療にも「気」が入る。
チャンスが有る限り人との出会いを大切にして、何事にも挑戦してみよう。
この山行がその後の人生に大きな変化をもたらしたのである。



コロナ以前に夏の定例会だった頃の、写真です😊

次週に続く
コメント
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