妄念の凡夫

日々是称名

ハードボイルドなんだけど

2012-06-24 20:38:45 | 日記・エッセイ・コラム
 ハリウッド版『ドラゴン・タトゥーの女』(デビット・フィンチャー監督)のDVDがレンタル開始されたので借りてきた。
 ロードショウ当時、テレビで絶賛され、「どんなんかなあ」ということで2時間超の大作を視たのだが……。
 いやあ、よくできた映画で、出演者たちの演技もうまいんだけど、スウェーデンのサスペンス劇場ですね。
 いろいろな伏線がはられてて、映像・編集も工夫されてるし、スウェーデンの街並みや冬の風景は味わいがあっていいんだけれどねえ。
 残るものがないんだなあ。
 退屈せず、全編楽しみながら最後まで視られたんですけど。
 場面展開は少なかったけど、『ソーシャルネットワーク』のほうがいい映画だったなあ。監督とヒロインが同じだけに残念だけど。


↓メタリックなオープニングで『移民の歌』にはゾクゾクしたけど……

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価格:¥ 3,990(税込)
発売日:2012-06-13



台風一過

2012-06-21 01:14:54 | 日記・エッセイ・コラム
 こどものころは「台風一家」だと思っていた。
 六月にして台風とはちと早すぎる。
 昼間は蒸し暑かったが、夜になると涼しくなった。草むらからは虫の鳴き声が聞こえた。秋と勘違いしたのだろうか。




 青稲や
 薙倒(なぎたお)されて
 花の咲(く)


         一茶 1811(文化8)年




 なんまんだぶつ なんまんだぶつ





韓流スタア

2012-06-17 13:39:28 | 芸能ネタ
Photo「キム・アジュンのペンミ(ファン・ミーティング:韓国ではFの音が出しにくいのでファンがペンとなる)あるみたいやけど、行く?」
「行く,行く」
「じゃあ、チケット申し込むわ。パソコンで」
「ありがと。一緒に行くの?」
「いんや。私興味ないから、あなただけでどうぞ」

ということで、配偶者にチケットを取ってもらったキム・アジュン(金亜中)ファンの集いに行ってきた。アジョシ(オヤジ)1人で。
 韓国の芸能人はファンを大事にするので、この手のファンミーティングをよくやるらしい。うちの配偶者はいろんな韓タレのイベントに足繁く通っているが、私にとっては生まれて初めての韓流イベントだった。
「雨が降ってるし、ガラガラだったら客席インタビューされたりして困るなあ、どんな服着ていこうか……」とあれこれ考えたが杞憂。会場の新宿文化センター前についたら、200メートルぐらいの列がすでにできていた。Photo_2
全席指定なのに。老若男女いろんな方がいらっしゃるし、みんなリラックスした普段着だ(私よりダサイ格好の人もけっこういるぞ)。
 会場は1600人くらい収容の中規模のホールだが、満員。ヘタな外タレのコンサートより賑わっていた。6私は一階席の最後尾。スクリーンモニターじゃないとお顔が見えない。
 イベントの内容は、インタビューあり、歌あり、Danceあり、ちょっとしたサプライズあり。アジュン氏の人柄があふれているハートフルなイベントでした。「カンナさん大成功です!」「アクシデント・カップル」「サイン」などでの役柄とご本人とのギャップがほとんどないので、非常に好感が持てた。思った通りの女優さんでした。
Photo_3
 イベントが終わったら、なんと! ご本人から観客みんなにメッセージカードの手渡しがあるという。大サービスじゃん。韓流スターのイベントではよくあるらしい。全員に手渡すのに、イベントの中身以上の時間がかかったと思う。それなのにスターはすごいね。嫌な顔一つせず、全員に笑顔を振りまいて。Photo_4いよいよ私の番になって「ありがとうございました!」と大声で声かけたら、目をカッと見開いてくれて私に視線を合わせてくれました(ほんの2~3秒ぐらいだったか)。それに右手にハイタッチ(^_^)/……いやあ、スターですよ、向こうは。いい娘だなあ。次の作品も楽しみにしてま~す。
 先週は個人的にムシャクシャしていたけど、このイベントで吹っ飛びましたね。私にとっては一服の清涼剤。ヨンジャ(配偶者名のハングル読み)、コマワヨ(ありがとう)。


↓どれも、いい作品です。
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機嫌の悪い週末でした

2012-06-16 00:26:10 | 日記・エッセイ・コラム
 会社の歓送迎会で話されたことがきっかけで、今週末はすこぶる機嫌が悪かった。
「ほろひれよ~、おまえが編集長クビになるとき、おれは救ってやったんだぜ。部数低迷でも、たかが半年くらいで責任取らせるなよといったんだ、オレは社長に」
「社長は、編集長や部長たち一人一人に聞いて回ったって、『ほろひれを編集長としてどう思うかって』。なかには『あんなヤツ、切れ!』と主張した編集長仲間もいたんだぜえ」……


 もうどうでもいいんだぜえ! いまさらそんな話すんなよ。お前がおいらに味方してたとは思えんけどな。忘れかけてた、5年前のことを蒸し返すなよ!
 てめえはいいよな、閑職に押しやられても部長待遇の手当もらえて。編集長からヒラの広告取りに落とされたおいらの気持ちなんかわかるかよ。
 媒体力のない雑誌に広告入れてもらうために頭下げて神経すり減らせてるんだ、こちとら。どうなってもいいよこんな会社。気分悪い。仕事やる気さらさらなし。

 あー、また愚痴ってしまった。


『戦争の日本近現代史』(加藤陽子・著、講談社現代新書)

2012-06-07 16:50:47 | 本と雑誌
『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社)の著者・加藤先生の現代新書版。
 前回が高校生向けの授業記録とすれば、今回のは大学生以上向けの講義録という感じ。

 明治維新から太平洋戦争まで、戦争を抜きにして語れなかった日本近代史の底流にある思想とは何かを抉った本。
 イデオロギーに左右されず冷静に書かれているだけに、正直、読後に暗澹たる気持ちになった。

 征韓論のルーツは、江戸時代の国学にまでさかのぼり、平田篤胤や吉田松陰などは神功皇后の三韓征伐から朝鮮を支配下に置くのは当然視していたこと(愛弟子の長州閥に多大な影響を与えている)、大正デモクラシー時代の体外交渉は実は列強間のエゴとエゴとのぶつかり合いで満州事変から太平洋戦争に至る日本の方向性を孕んでいたこと、対華21か条のゴリ押しから満州事変への変遷では、日本は理を尽くして中国に進出したのに(条約などの交渉で獲得したのに)中国のほうがルールを破って日本の権益を妨害したと本気で指導層は思っていたらしいこと……、侵略か防衛か、未だに一部では続く先の大戦の論争の背景がよくわかった。

 坂の上の雲の時代まではよかったけどその後はよくなかった……、という単純な述懐ですむ話じゃなかったのね。もし、あの満洲事変後のまま、日本が天才的にうまく立ち回っていたらどうなっていただろう……、ゾッとする。
 完膚なきまでに打ち負かされたから、いまの日本があり、ヨーロッパではいまのドイツがあるわけだ。


↓ 日韓併合が端折られているのは残念だったが、紙幅の関係で入らなかったのだろう。そのへんに絞った講義録を読みたいものだ。


戦争の日本近現代史 (講談社現代新書)戦争の日本近現代史 (講談社現代新書)
価格:¥ 798(税込)
発売日:2002-03-19