妄念の凡夫

日々是称名

なんて日だ!

2014-08-20 20:55:48 | 日記・エッセイ・コラム
 広島市安佐北区、安佐南区あたりで大規模な土砂崩れ発生!
 すさまじい光景がテレビニュースの画面に映っていた。あのあたりは、10年ほど前に、仕事で行ったことがある。短大の先生への取材だった。広島駅からローカル線に乗り換えて行ったと思う。そのときたぶん通ったはずの駅舎へも、大量の泥と石は流れ込んでいた。
 広島市ってすごいなあ、山の際まで住宅地があるんだ、と感心した記憶がある。それが、いまや至るところで家々が流され、押しつぶされている。振り返ればすぐ向こうに、近代的な広島市街が見えるというのに……。

 今日も残暑がキツイ。重たい気分で駅へ向かう。急行に乗ろうとしたそのとき、
「ただいま、所沢で人身事故が発生いたしました。しばらく運転を見合わせていただきます……」

 寝ている間に濁流に押し流され、あっと思うまもなく死んだ人もいるのに、こんなクソ暑い日に電車に飛び込むなんてなんなんだ……。苦より出でて苦に入るだけじゃないか。


けれども、問題は

2014-08-04 00:41:55 | 日記・エッセイ・コラム
 ウクライナで、マレーシア航空機が撃墜され、乗客全員死亡。
 イスラエルのガザで、イスラエル軍による2千人近くの大虐殺。
 佐世保で、高校一年の女子生徒が、同級生を殺して遺体を切断。
 丹沢のキャンプ場で、鉄砲水。SUV車が流され、夫は助かるが、妻と2人の子が死亡。
……

 けれども、問題は、今日の飯、明日の仕事、ローンの返済……。
 なんてこった.はずかしい日常。
 日々の生活のことしか考えられない。「それは、いいことだろう?」
 そんなわけない。
 嗚呼。


出自を知る権利

2014-06-15 12:57:23 | 日記・エッセイ・コラム
『報道特集』で、精子提供によって生まれた人の話が取り上げられていた。
 先日書いた『わたしを離さないで』に通じる苦悩が、現実に起こっている。万能細胞がクローン人間を生み出すようになると、小説の内容そのものが現実になってしまうのも、時間の問題と思われる。
 しかし、生物学上の父親(精子を提供した医大生)がどうなったかを探して、本人の気持ちは収まるのだろうか。当事者がハッピーでいられるとは思わない。知らないままのほうがいい、というのは、所詮、部外者・野次馬の感想なのか……。

 ここで、私の話。大学へ行くとき戸籍抄本が必要になって、母から「実は、お父さんは、別の人と前に結婚しとったんや」と聞かされたことがある。
 15年前に事故で死んだ私の父は、再婚して私と弟をもうけた。父の最初の配偶者は、高校の時の同級生らしい。祖母と折り合いが悪かったとか、離縁されて里に帰されたとか、産後の肥立ちが悪く母子ともに死んだとか、妻子に死なれた父は、家から出てしばらく釜ケ崎で日雇い暮らしをしていたとか、その後引き戻され、見合いをして私の母と所帯を持ったとか……、断片的に母から聞いた話は曖昧で定かではない。というか、正確に知りたいとも思わない。
 父の口からはついぞ聞くことなく、父は忽然と他界してしまったが、それでいいと思う。ただ、私が生まれる前の父にもエピソードはあったんだなあ、と妙に感心したことがある(当たり前だ。誰にでもエピソードはある)。
 父の話、祖父の話、曾祖父の話などをたどっていけば、それが私の前世なのかもしれない。ただ、それだけである。
 問題はこれからだ。この先残された時間は、かなり短くなっている。しかし、まだまだやり直せる。生きられるだけ生きてゆく、それしかないではないか。


↓番組で紹介されていた本。私は読みたいと思いません。


AIDで生まれるということ 精子提供で生まれた子どもたちの声AIDで生まれるということ 精子提供で生まれた子どもたちの声
価格:¥ 1,944(税込)
発売日:2014-05-01



そらごと、たわごと、まことあることなし

2014-03-12 01:29:13 | 日記・エッセイ・コラム
 一昨日、ニュースで話題になったF名誉教授に、私もほんの少しばかり関わりがあって、急遽、対処に追われた(ほんとにほんの少しだが)。
 F名誉教授には8年近く前に一度しかお会いしたことがないが、ユーモアがあって人当たりもよく、理路整然と落ち着いたお話をされるよい先生だと思っていたのだが……。報道どおりだとすると酷い話だが、当局発表のリリースをなぞっただけのニュースほど怪しいものはないので、脇が甘かったのかなあ、引っかかってお気の毒だなあ、というのが正直な感想。
 でも世間からは、「エッあの先生、そんな悪人だったの!」という反応で、生協ルートからは、その先生の著作に対して回収要請があったとのこと。じゃあ、平積み単行本をシリーズ化して出していたところはさぞかし大変だろう。
 いまほどエビデンス(証拠)が五月蠅くいわれる時代はないだろう。でも、その証拠を誰もが理解できるのか? いやあテレビで言ってたから……というのがいいところだろう。しかし、佐村河内なにがしの一件でも明らかなように、裏取りの重要性が身に滲みているはずのテレビでもまんまと騙されるのだ。
 一晩明けて、今度は割烹着リケ女のSTAP細胞論文に対する疑惑報道が喧しい。共同研究者の先生の口から「もう信じられない」という言葉が出てくるのには驚いた。共同研究って発表の前にみんなで擦り合わせしないの? プロジェクトを進めているうちに発覚するでしょ、ズルがあれば。何人もの共同研究者ですら騙されたってこと?……私のような野次馬は、好奇心だけであれこれツッコみたくなるけど、私のような外野はお呼びでないのだ。何から何までわかってないんだから。


煩悩具足の凡夫、よろずのことみなもてそらごと、たわごと、まことあることなし。

ただ念仏のみぞ、まことにておわします。